今年の発表会では、毎度おなじみのバンド、ヴィンテージグッズでの二曲以外に、もう一曲やることになった。
先週、尊師から、ギター科の大学生W君の希望曲に付き合ってやってくれないかといわれた。
W君は、習い初めて一年くらいで、私が優位に立てる貴重な存在だ。
ここは付き合って先輩風を吹かせたいところだ。
ギターで私が優位に立てる存在は「絶滅危惧種」です。
しかし発表会まであと一ヶ月。
おぼえこむのに二ヶ月ほしい私としては厳しいスケジュールだ。
迷っていると、「この曲です」と曲が流れた。
シンプルプランというバンドの、「アイキャンウエイトフォーエバー」。
即座に好感を持った。
ゆっくりした曲だ。
ロックにはスピード感あふれる曲が多い。
聞く分にはいいのだが、弾く分には困りものだ。
この曲は、歩くような速さで、ギターも単純大音量でギャンギャン鳴らせばいいような感じで、私にぴったりと思えたので引き受けた。
いくら単純な曲でも、数日でおぼえるのは無理だし、原曲は一度聞いただけなので練習にはならないとは思いながら、リハーサルに行って驚いた。
ドラムとベースがまだ決まってないのだ。
ドラムとベース抜きで練習になるのかなと思ってたら、なんと、この曲を希望したというW君が欠席、ボーカルも欠席。
来てたのは、私と、キーボードのAさんだけだった。
発表会、だいじょうぶかな。
ヴィンテージグッズの一曲は、ベンチャーズファン、ドラムのIさんの希望で、名曲中の名曲「キャラバン」。
毎回、私がリードギターを弾いて、教室ではベテラン格の好青年、T君がサイドギターを務めてくれていたのだが、今回はT君に花を持たせようと、私がサイドに回ることにした。
いつも年寄りが出しゃばっていてはいけない。
美談である。
ところが、これを素直にとらない人がいる。
「キャラバン」のリードギターが難しいので私が逃げたという悪意のあるうわさが流れているのだ。
はじめは、そうではないとムキになって否定していたが、何度も言われるうち、自分でもそう思うようになってくるのは不思議である。
さて、T君にリードギターをうまく押し付けて、じゃなかった、T君にリードギターの座を譲って、リズムギターの練習を始めて困ってしまった。
速い!
猛スピードで腕を動かさなければならない。
発表会、だいじょうぶかな。