朝日新聞土曜版に、食料品店と思える大きな写真が出ていた。
その店内の様子が、なんだか見たこがある様な気がした。
見出しは、「宝探しの不思議な店を演出」とある。
記事を読んで、なるほど見たことがあるはずだと納得。
私の行きつけの食料品店、「カルディ」であった。
行きつけといっても、二、三ヶ月に一度くらいですが。
料理教室で、パン作りを習った先生が教えてくれた店だ。
料理教室と同じショッピングセンターにある。
フランスパン粉や、乾燥イチジクなんかを買います。
私には珍しい商品が、大量に、そして、雑然とならべてある。
この、「雑然と」というところを強調したい。
商品が、非常に見つけにくい。
いつ行っても、と言っても二、三ヶ月に一度くらいですが、フランスパン粉がどこにあるかわからない。
いつも買う、と言っても、二、三ヶ月に一度ですが、乾燥イチジクを、いつ行っても探し回らなくてはならない。
雑然と置いてもいいけど、スーパーマーケットみたいに、「小麦粉」とか「ドライフルーツ」とか、看板を上げておけばいいのに、それもない。
たいして広くない店なのに、店内が迷路みたいになってて、どの棚を探したのかわからなくなってしまう。
いつ行っても、と言っても、二、三ヶ月に一度くらいですが、行くたびにイライラする。
今日の新聞を読んで驚いた。
それが、社長の方針なのだ。
「いろんな物が山積みになり、何があるかわからないパリの市場にいる楽しさを演出してるんです」
そ、そうだったんですか。
知らぬこととは言え、イライラしたりして失礼しました。
そういわれれば、たしかにパリの市場の楽しさを思い出しました!トレビアン!と言いたいとこだけど、そんなもん知らんがな。
朝日新聞によれば、「その工夫がファンを増やし、売り上げは毎年三割のペースで増加。年商は四百億を超す」とのことである。
ちょっと待った。
ワシはちがう。
どこに何があるかわからん迷路のような店での、買い物のしにくさにひかれて、「カルディ」を訪れるわけではありません。
品揃えの豊富さが強みではないかと思うんですが、社長に逆らう気はありませんよ。
社長の方針に従います。
そういう店だとわかったからには、今後はイライラせず、あきらめて買い物をさせていただきます。