朝日新聞朝刊。
韓国の女性登山家が、標高8586メートルのカンチェンジュンガという山に登ったというのが、ウソだったのじゃないかという話だ。
スケールの大きな話なのか小さな話なのかよくわからん。
「ヒマラヤ登山家が憧れる八千メートル峰は世界で十四座ある」
「座」というと、立派そうですね。
五百メートルくらいの山でも「座」というんでしょうか。
「山」でも立派なものですが、「ひと山いくら」となると、途端に安物のイメージになって、山に気の毒です。
さて、その登山家あこがれの十四座ですが、「全山制覇は二十二人しかおらず」と書いてあります。
二十二人もいるのか!
「八千メートルを超す高所は『死の地帯』と呼ばれ、酸素は平地の三分の一、悪天候に見舞われれば遭難死の可能性が高まる」
そんな「魔の十四座」すべてに登った物好きなというか変人奇人怪人鉄人、まあ、なんでもいいけど、とにかく二十二人。
多いと思います。
今年、女性として初めて十四座征服したといって問題になっているのが、韓国人女性登山家の呉銀善(オウンソン)さん。
最近、韓国の人名に振り仮名をつけるのはいいことです。
「オウンソン」のほうが、「ゴギンゼン」よりいいと思います。
この、オウンソンさんであるが、「昨年登頂したとされるカンチェンジュンガに疑惑が持ち上がり、韓国内外で波紋が広がっている」
この書きかたはおかしい。
山の話なのに、「波紋が広がっている」はおかしい。
「韓国内外に激震が走った」とか、「黒い霧に包まれた」とかいうのが正しい。
いずれにせよ、こういう疑惑が生じるのは、山頂が整備されてないからだ。
少なくとも、立て看板くらいは設置すべきでしょう。
「↓エベレスト山頂はココ。8848メートル地点」
この看板の前でピースサインして写真を撮ればまちがいない。
世界最高峰のエベレストであるが、私にとって、あまりありがたみがない。
というのは、子供の頃、家に「エベレストジャー」という、ご飯の保温容器があったからです。
「エベレスト山」には申し訳ないけど、「エベレスト」と聞くと、はるか八千メートルを見上げるより、母の横に置いてあった、青い(?)「エベレストジャー」を、しみじみと思い出してしまうのである。