若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

大室山

大学の美術部の仲間7人と伊豆高原で一日過ごしました。

一昨年会った時、Mくんの話がおかしかった。

定年退職を控えて、無趣味だったMくんは何か趣味を持とうと考えたけど、適当なのがないので焦るうち大学の時美術部だったことを思い出して絵を再開したというんです。

7人のうち断続的に絵を続けてたのは私だけなので、美術部ということさえ忘れてます。
大学の時よくいっしょにいたなあという感じです。

で、今回四人が「作品」を持ってきたのに驚きました。
皆さんいっせいに再開したんですね。

スケッチブックあり、スマホの画像あり、近作を披露しあってました。

みんなうまいもんだと感心しながら、みんな美術部だったんだと思いだした次第です。

宿舎の窓から見えるきれいな緑の小さな山に登ることになりました。
大室山というそうです。

なんちゅうか、子供が砂場でお椀を使って作ったような、きれいな形の山です。

山焼きをしているそうで山肌は一面の草です。

登山リフトが450円なんですが、幹事役のN君が切符売り場で高齢者割引はないのかとしつこく食い下がって係員に免許証を見せたり、自分の薄くなった頭頂部を見せたりして粘りに粘ったけど結局ダメで、肩を落として戻ってきて「力不足で申し訳ありません」と律儀に謝ったので一同気持ちよく許すことにしました。

Nくんが絶景だというので登ることにしたんですが、リフトで登る間、見えるのは2メートルくらい下の土だけであった。

スーパービューであった。

頂上が近づいたころ、「ハーイ!写真撮りますよ〜!ハイ、ポーズ!チーズ!」という声が聞こえた。
声の方を見ると山にすえつけられたカメラのレンズがこちらを狙ってた。

はは〜ん、ここで撮影したのを売りつけようというんですね。
その手には乗らんぞと、カメラに向かってピースをしながらヘンな顔をして舌を出したとき、パシャッとシャッターの音がしました。

頂上は、真実のスーパービューでした。
幹事のNくんのここまでの不手際の数々を許してもいいと思えるほどの絶景でした。

富士山が見えて海が見えて、いい景色の典型でした。

左手にも海、右手にも海で、じ〜っと左右の海を見比べていたMくんが、ハッと気づいたように「これ、つながってるんだ!」と言ったので頂上から転がり落ちそうになりました。

頂上から転がり落ちるほどじゃないけど、幹事役じゃない方のNくんにもかっくんとなった。
木曜の夜、温泉に入ると言って部屋を出たNくんがしばらくして戻ってきた。

タオルを忘れたというんです。

金曜の朝、温泉に入ると言って部屋を出たN君が、しばらくして戻ってきた。

タオルを忘れたというんです。

温泉に入るより脳ドックに入ったほうがいいと思いました。

さて、N君の脳じゃなかった、大室山ですが、こんなきれいな手頃な山はちょっとないと思います。

火山の見本みたいな山で、天然記念物なんです。
ロープウエイで6分、山頂一周歩いて15分で、うしろに富士山、左右に海を取りそろえて450円。
お買い得です。

山を下りて、来年はどこでという話になって、「奈良!」という声が上がった。
私に対する嫌がらせですか。
皆さん、東京横浜ですから奈良もいいか知らんが、名古屋より東でお願いします。
めったに旅行しない私に、旅行気分を味あわせてください。