きのうは、高校美術部の先輩の個展に行ってきました。
この日記に、ときどきコメントを頂く「gicchon様」です。
「gicchon様」ではややこしいんで、「Gさん」とします。
「爺さん」という意味ではありません。
Gさんは、いわゆる優等生というか秀才というか模範生であった。
文句のつけようのない人で、まあ、困った人のはずなんですが、周囲を困らせることがないのが立派なもんだと思いました。
何年か前、ネットでGさんの絵を見つけたんです。
高校以来初めてGさんの絵を見たんですが、そのとき、「やっぱりね」と思いました。
文句のつけようのない絵で、困ったものなのに、困らない。
ここまで人を困らせないのも困ったもんだと思いました。
仕事をやめてから本格的に水彩画に取り組んでるそうです。
開催初日に行ってきました。
美術部で私と同学年だったSくんも遅れてくるはずです。
Sくんは、ここでも何度か登場した、元天才少年、現某国立大学美術教育学部名誉教授。
個展会場には、文句のつけようのない絵が並び文句のつけようのないGさんがすわってました。
一通り絵を見て、Gさんに、「文句のつけようがありません」と言ったら、「そうだろう。午前中に来てくれた美術部の大先輩のNさんにもそう言われたよ」と笑ってました。
Sくんが近々個展をする話になって、Gさんが「見に行こうと思う」というので、「行かなくていいです」と言いました。
Sくんは、個展魔というか個展依存症というか、個展をしまくってて、この数年は、「これが最後の個展!」と言って人を集める困った人なんです。
そんな話をしてるところにSくんが現れた。
Gさんが、「あんたの個展に行こうと思ってたんだけど、若草が行かなくていいというんだよ」と言ったら、Sくんは苦い顔をして、「まあ、たしかに・・・」と言いました。
で、Gさんが、「じゃ、やめとくわ」と言ったので、Sくんの個展問題はあっさり片付きました。
美術部同窓の女性Kさんも現れて、4人で串カツを食べました。
Gさんの姪ごさん夫婦がやってる店です。
姪御さんには、「Gさんの人徳をしたって後輩三人が集まったんです」と言っておいた。
楽しくおしゃべりして、お勘定。
Gさんが姪御さんに、「お勘定は、食事代と飲み物代は別々に計算してよ」と言ったんです。
ヘンなこと言うなあと思ったら、「食事代は俺が持つから、飲み物は割り勘にしよう」と言うんです。
私が、「そんなややこしい細かいこと言わずに、全部出してください!」と言ったら、Gさんは私の勢いに気おされて、「え!お、お、おれが全部持つんか?」とたじたじとなった。
相手が受け身に回ったと見るや、かさにかかって攻めるのが私のいつものやり口です。
「美術部長でしょう!後輩が人徳をしたってとまで言ってあるんですよ!名門A高校始まって以来の秀才と言われ、国家の要職にあった人が、割り勘なんて見苦しいですよ!」
尚も苦渋の表情を浮かべるGさんを見かねて、姪御さんが、「伯父さん!三割引きにさせてもらいますから」と助け舟を出したので、Gさんはしぶしぶ全部出してくれた。
三人で声を合わせて、「ごちそうさまでした!また三人で来ます!」と言ったら、「もう来なくていい!」と言い捨てて,Gさんは去っていった。