若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

selfinvited

C.V.ウエッジウッド著『The king's Peace』という本を読んでます。

清教徒革命で処刑されるイギリス国王チャールズ1世について書かれた本です。
この王様は、処刑される十年ほど前、「私は、キリスト教世界で最も幸せな国王だ」と語ったのんきな人です。
苦労知らずの世間知らずだったんですね。

フランス国王アンリ4世と王妃マリー・ド・メディシスの間にできた娘と結婚してます。

このフランス生まれのお妃を頼って、フランスから「selfinvited」の人たちがやって来たことが書いてあります。

「selfinvited」

「自己招待」というんでしょうか、招待されたわけでもないのに押しかけてくるんですね。

まず、フランスを追放された伯爵夫人が転がり込んでくる。
これがとんでもない女で、イギリスの財務長官をあきれさせるんです。

「この女は、イギリス国王が無限の財産でも持っているかのように金を使う」

転がり込んできたくせに、むちゃくちゃ金を使ったようです。

次に、母であるマリー・ド・メディシスが押しかけてくる。
この人はイタリアのメディチ家の娘で、フランス王アンリ4世が持参金目当てに結婚したというんですから、すごい。
莫大な持参金付きでやってきたのはいいけれど、むちゃくちゃ贅沢でパッパラパーな女で、その持参金を自分で使いきってしまったと言うんですから、アンリ4世もがっくりきたでしょうね。

むちゃくちゃ贅沢なだけでなく、むちゃくちゃ陰謀好きで、夫亡き後、自分の息子のルイ13世と激しく対立して、追放されてしまう。
で、イギリス王妃である娘を頼って転がり込んできた。

娘を頼って転がり込むといっても、なんたって前フランス王妃、フランス現国王の母です。
身体ひとつというわけにはいかない。
風呂敷包ひとつとか、両手にスーツケースというわけにもいかない。

それくらいはリッチでもセレブでもない私にも想像できます。
事実は想像を絶しますよ。

なんと、家来を600人連れて転がり込んできたそうです。
ほんまかいな、と思うけど、そう書いてあります。
著者は有名な歴史学者で、私みたいな口からでまかせの人じゃありません。

メディチ家がすごいのか、フランス王家がすごいのか、なんかよくわからんけど、すごいです。