若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

あきらくんが生まれるまで、「弟」とはどういうものか知りませんでした。

世の中に「弟」と呼ばれる人がいるのは知ってました。

ウチの長女が、ゆうちゃんを生んで、次にあきらくんが生まれた。
お腹の中にいるのが男の子とわかって、人物画教室で報告したら、三人の先輩女性が、「下の子はかわいそうよ〜〜〜!」と口をそろえて言いました。

「おにいちゃんに、たたかれたり、つきとばされたり!おもちゃは取り上げられるし。それでも、おにいちゃんおにいちゃんってあとを追いかけるんやから。はがゆい!もう、おにいちゃんなんかほっときなさい!って」

さすが経験者、その通りですね。

3歳7ヶ月のゆうちゃんは、只今自転車に夢中です。
家内が、あきらくんに、パトカー型の車を買いました。
またがって足でけって進む「赤ちゃん仕様」の車です。
これまでは、ゆうちゃんのお古の「アンパンマン型」の車で遊んでたんですが、あきらくんに新車を買ったんです。

夕方、ゆうちゃんとあきらくんがやってきたと思ったら、ゆうちゃんがパトカーめがけてダッシュ
「ゆうちゃんは自転車でしょ!それはあきらくんの!」と言ってもまるで耳に入らない。
パトカーに乗って大喜びです。

それを、あきらくんがじっと佇んで見てるんです。

佇んでるんですよ。
1歳5ヶ月ですよ。
ふつうその年で佇めますか。

佇んでじっと見てる。

あきらくんだってダッシュしてさわりたいはずですよ。
乗りたいはずじゃありませんか。

ゆうちゃんがワーワー言って乗ってるのを、じっと佇んで眺めてる。

この時のあきらくんの心を支配しているのは、「自制心」でしょうか。
「諦念」でしょうか。

いずれにせよ、非常に高級複雑な心理ですよ。

「あきらくん!」と叫んで抱きしめたくなる。

しばし、佇み眺めていたあきらくんは、ゆうちゃんのお古の「アンパンマン」の車にまたがって、ゆうちゃんの後を追って遊び始めました。

涙なしでは見ていられません。

ホモサピエンス「弟」は、ずっとこうだったのだ。

兄が新石器で遊んでるのに、弟は旧石器で我慢してた。

兄が弥生式土器なのに、弟は縄文式土器だった。

「弟」を、人類の文化遺産に指定するか、せめてギネスブックに載せてほしいと思います。
モンドセレクション金賞でもいい。