「子供力」というものがあると知ったのは、母が介護施設にお世話になってた時です。
いつもほとんど無反応の方が、家族が赤ちゃんを連れてくると、にこにこ顔になって、赤ん坊に手をさしのべたりするんです。
赤ちゃんは、なんにもしませんよ。
ぽよよ〜んとしてるだけです。
それで大変な反応を引き出すんですから、あかちゃんというのは立派なもんです。
今日も、3歳児あきらくんの子供力に大いに救われました。
産院にいるママに会いたくてしかたのない2歳児しょうちゃんですが、あきらくんがいると、いちおう、ぐずぐず言わずに遊んでます。
あきらくんがサービスするわけじゃないんです。
「子供力」の不思議である。
きのう今日と、私も家内も、あきらくんに感謝感謝です。
まあ、しょうちゃんが生まれるまで、あきらくんはしょうちゃんのママにたいへんかわいがってもらいましたから、少しはご恩返しができたというもんです。
さて、プラレールで遊んでるあきらくんに声をかけてみました。
どういう反応をするか、楽しみにしながら、声をかけました。
明るく大きな声で、「あきらくん!」と呼びかけました。
あきらくんは、プラレールから顔をあげて、けげんそうに、「うん?」と答えました。
「あきらくん!あのね〜!」
「うん」
「おじいちゃんね〜!」
「うん」
「あきらくん、だ〜い好き!」
それまできょとんとしていたあきらくんですが、にっこり笑いました。
さて、この仕掛けにどう反応するか。
あきらくんは、にこにこしたまま、「おじいちゃん!」と大きな声で言いました。
「うん?」
「あのね〜!」
「うん」
「あきらくんね〜」
「うん」
「おじいちゃん、だ〜い好き!」
おお!
期待通りの反応であった。
気を良くしてもう一度!
「あきらくん!」
「うん?」
「あのね〜!」
「うん」
「おじいちゃんね〜」
「うん」
「あきらくん、だ〜い好き!」
にこっと笑ったあきらくんが、「おじいちゃん!」「うん?」以下何度も繰り返しました。
このゲーム、あきらくんも面白かったのか、面倒がらずに何度も付き合ってくれました。
しばらくすると、幼稚園がすんだ5歳児ゆうちゃんが来ました。
さて、5歳児の反応は?
いってみよう!
「ゆうちゃん!」
「うん?」
「あのね〜!」
「うん」
「おじいちゃんね〜」
「うん」
「ゆうちゃん、だ〜い好き!
ゆうちゃんの顔に、微妙な雰囲気が漂いましたよ。
微苦笑と照れ笑いを足して二で割ったものに当惑と困惑をかけたような表情です。
その、中途半端な苦しい表情のまま、ゆうちゃんは私を見て、「それで?」と言って、視線を落としてプラレールを触ってました。
二人とも、なかなかいい反応だったと思います。