先日、近所の家電量販店に「ウォークマン」を買いに行きました。
若い男性店員に、「ウォークマンがほしい」と言ったら、「ウォークマンには、アップルタイプとソニータイプがあるんですが・・・」と言ったのでびっくりした。
「ウォークマン」は、ソニーの登録商標じゃないんですか。
一般名詞になってるんでしょうか。
私の「ウォークマン歴」は長いです。
カセットテープタイプも何台も買いましたし、ミニディスクタイプも何台か買いました。
今回買ったのは、「アップルタイプ」とでもいうんでしょうか。
ソニーの「ウォークマン」だけど、アップルタイプ。
ややこしい。
今日、その家電量販店の男性店員からお礼のはがきが届いたので驚いた。
こういうこと、するんですね。
「先日はメモリーオーディオのお買い上げありがとうございました」と書いてあった。
「メモリーオーディオ」というんですか。
聞き始めです。
「音質にはご満足いただけましたでしょうか」と、ソニーに成り代わって心配してくれてる。
ご丁寧なことで感心しました。
感心しましたが、宛名の私の名前がまちがってた。
「姓名」の「名」です。
私の「名」はよくまちがわれます。
戸籍の名前は、「實」です。
「実」の旧字です。
旧字というか、本字というか、まあ、戦前に使ってた字ですね。
まちがわれてもしかたないと思います。
一番よくまちがわれるのは「寛」です。
何割かは、「寛様」と書いてくる。
あとの何割かは、なんとも言えないヘンな字を書いてくる。
今日届いたはがきも、なんとも言えないヘンな字になってた。
私は、小学校の低学年までは「實」と書いてました。
何年生のときか、たしか担任の先生が、「實は古い字だから使わない方がいい」と言ったんだと思います。
で、以後、「実」を使うようになった。
べつにどっちでもかまわん。
「みのる」は「みのる」だ。
ところがです。
二十年ほど前、漢字について書いた本を読んでてびっくりした。
「漢字の成り立ちを無視して、新字体を作ったのは軽率である」と書いてあった。
その一例として、「實」→「実」をあげてあった。
「實」という字は、「ウ冠」と「貫」である。
「ウ冠は家の屋根である。貫、という字の下の部分は、貝である。貝は古代の貨幣である。すなわち、實という字は、カネが家の屋根を貫くほどたまるという意味である」と書いてあったんです。
それにくらべて、「実」という字は、ウ冠の中に、「失」というような字である。
「実」を使っていては、カネを失う。
そ、そうだったのか!
働けど働けどわが暮らし楽にならざりじっと手を見る、というような生活をしていたのは、「実」のせいだったのか!
それ以後、「實」を使うようにしたんです。
なんたることか、「實」を使うようになったとたん、カネがたまり出した。
どんどんたまる。
恐ろしいほどたまる。
私事で恐縮ですが、一ヶ月前から、家のリフォームをしてます。
築20年の家なんですが、屋根の修理はこれで三度目です。
カネが屋根をぶち抜くんです。
漢字の魔力というのは恐ろしいもんです。
なんの話か。
家電量販店から、ウォークマンを買ったお礼のはがきが来た話でした。