見てるようで見てないんですね。
美術予備校の先生によく言われるのが、「思い込みを捨てて下さい」ということ。
自分の目で見ずに、「思い込み」で見てる。
いま、アンソニー・ヴァン・ダイクの「マリア・デ・タシスの肖像」を模写してます。
「模写」ですから、「原画の写真」を一生懸命見て描いてます。
一生懸命見て描いてるはずなのに、見えてない。
困ったもんです。
先週、先生に、「原画の写真を横にして見ましょう」と言われた。
「なんで?」と思いました。
で、横にして見ると、なんたることか、見え方がかなりちがうんですね。
「え?これ、影だったのか?」とか、「まぶたはこうなってたのか」とか、まあ、バカみたいな話です。
すなおに見るということはかなり難しいことのようです。
困ったもんだと思いつつも、模写は完成に近づいてます。
モデルの娘さんは、当時19歳で、17世紀のイタリアを代表するセレブ女性のようですが、この何年かあとに死んでしまうというのが描いててしみじみです。