人生、悩みのタネは尽きない。
いくつになっても悩みはある。
いくつくらいからあるんでしょうか。
生後二か月のみーちゃんにもあるかも知れない。
今度聞いてみます。
幼稚園年長さんのゆうちゃんにはありますよ。
今日は、私が幼稚園に送って行きました。
弟のあきらくんがおたふくかぜなんです。
こういう時はおばあちゃんが送って行くんですが、たまには私も行きます。
で、ウチから徒歩二分のゆうちゃん宅について、ゆうちゃんといっしょに出発したんですが、ドアを出たところから、動かなくなった。
なんだか様子がおかしい。
ドアを開けて家に入った。
「ママといっしょに行きたい」と情けない声を出す。
私は人気がないんですよ。
前にも、私の顔を見るや、「なんでおばあちゃんとちがうの」と言われたことがあります。
「ゆうちゃん、年長さんでしょ!来年は小学生よ。おじいちゃんといっしょでいいじゃないの」
「ママと行きたい」
「・・・あ!ゆうちゃん!今日は、お餅つきじゃないの!」
おお!餅つきか!
それはいい!
それでゆうちゃんの気分を盛り上げよう!
「いいなあ、ゆうちゃん!おじいちゃんもいっしょにお餅つきしたいなあ」
ママといっしょに、餅つき!餅つき!とはやしたてた。
しぶしぶという感じで、ゆうちゃんが歩き出した。
行ってきます!と出発したものの、足取りは重い。
どんどん重くなる。
「餅つき餅つき!」
呪文のように唱えながら、ゆうちゃんの手を引っ張って歩く。
ついに泣き出した。
なんたることじゃ。
そんなにおじいちゃんといっしょがいやなのか。
引きずるように幼稚園に到着。
毎朝門の前でお出迎えの園長先生に事情を話す。
園長先生も、「ゆうちゃん!年長さんでしょう。おじいちゃんに、ありがとうって・・・あ!今日はお餅つきだよ!」
園長先生も、餅つきで盛り上げようとする。
いつも自分で走っていくのに、今日は動かない。
手を引いて教室まで行く。
お友だちが、「ゆうちゃ〜ん!」と出迎えてくれても泣いてる。
そこへ担任の先生がやって来た。
「ゆうちゃん!どうしたの?」
ゆうちゃんは、泣きながら、先生の耳元に口を寄せて、「・・・歯が・・・ぐらぐらして・・・お餅・・・食べられない・・・」
なるほど!そういうことでしたか!
せっかくのお餅つきなのに、ゆうちゃんは先日来歯のはえかわりの時期で、抜けていってるんです。
今、一本ぐらぐらしてるんです。
どうもそれがゆうちゃんの悩みのタネだったようです。
ゆうちゃんの抱える大問題を、ママに説明してもらいたかったのかもしれない。
帰りに、門の前の園長先生に、私が嫌で泣いてたわけじゃないことを説明しました。
それはよかったよかったと、喜んでくださいました。