国立国際美術館で開催中の展覧会に行ってきました。
ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たちは、大阪では人気がないのじゃないかと思いましたが、ないみたいで、すいてました。
「印象派展」が素人向きとすると、こっちは玄人向きでしょうね。
で、玄人代表としての私の感想は、「キリスト教ばっかりやなあ」です。
全部じゃないですけど、キリスト教です。
このころの西洋の絵は、今で言えば、「漫画で学ぶキリスト教」みたいなもんでしょうね。
絵でキリスト教のありがたさを説明してある。
巨匠たちが一生懸命描いてくれてるのに、その肝心のありがたさがわからないのがつらいとこです。
聖人たちが苦しんでる絵がある。
年老いた男性たちですが、筋肉モリモリである。
「天国」というタイトルの絵があるんですが、人がうじゃうじゃ密集してる絵です。
避難所とか難民キャンプのイメージです。
この時代、人がむちゃくちゃ集まってるというのは、いいイメージだったんでしょうか。
キリスト教じゃない絵もありました。
う〜ん、これで満足してもらえたのかなと心配になる絵が多かった。
ヴェネツィア総督の絵もありました。
私が先日模写したのは、ベッリーニ作の「ヴェネツィア総督レオナルド・ロレダン像」です。
これです。
これと同じポーズで、同じ帽子をかぶってるのがあった。
このヘンな帽子は、総督のシルシみたい。
で、出来栄えはぜんぜんちがます。
ベッリーニより何十年もあとの絵ですが、ぜんぜんちがう。
なるほど、ベッリーニは大巨匠なんだと思いました。
絵の出来もちがうし、文字の出来もちがう。
今日見た絵で、文字が入ったのも何点かありましたが、ベッリーニの文字の方が上手です。
ベッリーニのえらさが実感できた展覧会でした。