近所の医院に行きました。
狭い待合室はいっぱいで、だいぶ待たされるなと思いつつだいぶ待ってたら、高齢男性が受付の女性に声をかけた。
「薬だけほしいんですけどね」
だいぶ待たされて待ちきれなくなったようだ。
「薬だけね。もう飲むのやめようかと思ってるんやけどね。まあ、続けようかと・・・」
「お薬は?」
「いや・・・薬の名前は忘れました」
「え~っと・・・ちょっと待ってくださいね・・・〇〇と✖✖をお出ししてますね」
「いや、あの・・・薬だけほしいんですわ」
「・・・じゃあ、用紙に記入していただいて・・・」
「いや、もうやめようかなと思ってるんやけどね。続けてもいいかなと・・・」
「それでしたら先生にご相談いただいて・・・」
「いや!もういいです!もういい!」
すっくと立ちあがった。
お切れになったようです。
「だいぶ待たされた!もういい!もうここへは来ません!」
憤然と出ていく後ろ姿を見てもう一人の高齢男性が、「難儀なおっさんやな~」。
診察室から出てきた高齢女性が受付に行きました。
受付の女性が、「今日は380円です」と言いました。
高齢女性は財布を取り出してカウンターの上で受付の女性に向けてガバット開いて受付の女性をじ~っと見つめた。
見つめられた受付の女性は黙って財布から380円を取り出した。
超高齢化の町の診療所のある日の出来事である。