「よろい」と「かぶと」です。
幼稚園年長児あきらくんがやってきた。
元気よく入って来たあきらくんを見て、「まずい!おじいちゃんは馬に蹴られて足が痛いから飛びついたらダメだよ」と言わなくてはとトロトロ考える間もなくあきらくんが勢いよく飛びついてきた。
「イタタタタ!」
「おじいちゃん、どうしたん?」
「馬に蹴られたんや」
「え~っ!馬に蹴られた!?馬に!?どこで!?なんで!?馬に何してたん!?馬ってどこにいるん?どこで馬に蹴られたん!?」
「乗馬クラブ」
「なにするとこ?」
「馬に乗って楽しむとこ」
「おじいちゃん馬に乗るときクラ乗せる?」
「へ~、あきらくん、クラ知ってるのか。クラ乗せるよ」
「えっ!クラ乗せるん!ヨロイは着るん?」
「ヨ、ヨ、ヨロイ!ヨロイは着ない」
「カブトは?」
「う~ん、カブトもかぶらない。ヘルメットはかぶるけど」
「ふ~ん・・・ヘルメットか・・・」
あきらくんは急速に関心を失ったようであった
一瞬でもあきらくんが鎧兜に身を固めて馬にまたがる私の姿を想像してくれたのなら幸せである。