『夜明け前』を読むと、江戸時代のことが知りたくなってくる。
宿場町が出てくるのでネットでいろいろ調べたけど、学者が書いた本が詳しく書いてあっていいのじゃないかと思って児玉幸多著『宿駅』を読んだら詳しすぎてなんだかよくわからなくなった。
詳しすぎてよくわからんというより詳しさにアタマがついていかないと言った方がいいですね。
詳しく知りたいと思う気があるだけでもいいじゃないかと自分をなぐさめる。
直木賞作家の津本陽さんも、時代小説を書いていて江戸時代のことがよくわからんので、具体的、全般的なことを知りたいと思って江戸時代の専門家大石慎三郎さんに教えてくださいと頼んだ。
大石さんはちょっと弱った。
江戸時代のことはよくわかってるようでわかってないし、専門家というのは一つのことを深く追求するのが仕事で全般的なことはあまり知らない。
アマチュア歴史ファンで、あれこれ本を読みまくってる人のほうがいろんなことをよく知ってるのじゃないか。
まあ、知ってると言ってもアマチュアと専門家はレベルがちがうでしょうけど。
お二人の対談が『米が金・銀を走らせる』という本になってます。
児玉さんの『宿駅』に出てきた話はちょっとびっくりです。
1770年代、大目付というからえらい人ですが、その事務所から当時の運輸省みたいなとこのお役人に問い合わせがあった。
「五街道というけど、どことどこですか?」
そんなこと聞くんか?
「五街道」の名前なんか中学受験する小学生でも知ってますよ。
私は中学受験する小学生じゃないから知りませんが。
で、聞かれた運輸省のお役人が、「え~、あの~、そうですな~、う~ん、五街道ってよく言いますよね~。よく言いますけど、どこだったかな~?ちょっと調べてみます」と答えてるんです。
で、調べてから答えてるんです。
常識とか知るとかわかるとか、まあいろいろむずかしいもんです。
私の場合、いろいろ調べるとますますわからなくなる。
困ったもんです。