若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

国語は乱れているか

文化庁は「国語は乱れていると思いますか」というような調査をしてるようです。

そう聞かれて「う~ん・・・」と考えるより「乱れてるってどういうことですか」と聞き返すのが乱れなき心である。

「う~ん・・・」と考えているようではすでに乱されてしまってる。

おちついていこう。

 

変化してることはたしかですね。

えらい人が認める正しい言葉遣いをずっと守ってたら今でも「むべやまかぜを」とか言ってるんじゃなかろうか。

私は別に「むべやまかぜを」でもいいですよ。

でも変わっちゃったんだからしかたない。

「むべやまかぜを」に固執するつもりはありません。

 

ことばの使われ方が変わるんだとはっきり思ったのは高校の時です。

古文の時間に謡曲『墨田川』を習った。

そのなかで「逆縁ながら」という言葉が出てきた。

私は落語の知識から逆縁というのは「親が子を弔うこと」と思ってたんですが、教科書の『墨田川』では「通りすがりのかりそめの縁」という意味だと書いてあった。

ふ~ん、と思って古語辞典で調べたら、元は仏教用語で「逆縁とは悪事を犯したことがきっかけで仏道を志すこと」「順縁というのは立派なお坊さんに感動したりして仏道に入ること」というような解説だった。

何百年のうちに激しく変化するんだなと思いました。

 

言葉が変化するのはしかたない。

人をだますためとか煙にまくためとかその場しのぎの口から出まかせは乱れた使い方と言える。

最近では、誰が言いだしたのか知りませんが「スピード感を持って」「緊張感を持って」「責任感を持って」という言葉が新手の「はやし言葉」みたいに使われてる。

「ああこりゃこりゃ」「ちょいなちょいな」「えんやこらせ~のどっこいせ」というやつです。

いろんな人が使ってる。

「スピード感を持って」と聞いただけで腹が立つ。

 

「GOTOトラベルにつきましては、ああこりゃこりゃ、専門家のご意見を伺いながら、ちょいなちょいな、さても一座の皆様~よ~ほ~ほ~ほい、えんやこらせ~のどっこいせ」

 

言葉は乱れてないけど人間が乱れてる。

ハラ立つ。

 

あと、本来の意味を分かってない人が多い言葉として「手をこまねく」「敷居が高い」「浮足立つ」というのを紹介してありました。

よ~く知ってる言葉ですが使ったことあるかな?

これから使うことあるかな?

そう考えてちょっと不思議な気がしました。