「モンロー宣言」というのは「私はマリリン・モンローが好き!」と大声で言うことではない。
アメリカの第5代大統領モンローが「アメリカはヨーロッパの政治に口出ししない」というようなことを言ったんですね。
アメリカの古い大統領の名前で知ってるのは初代ワシントン、3代ジェファーソン、5代モンローとどういうわけか奇数ですね。
2代目アダムス4代目マディソンは影が薄い。
「アメリカ合衆国司法の父」と言われてるジョン・マーシャルの伝記を読んでます。
ワシントンの下で独立戦争を戦った人だから初期の大統領が全員登場します。
ジョン・マーシャルはモンローと親しい関係だった。
大学で法学を共に学び独立戦争で共に戦った学友であり戦友だった。
マーシャルは戦争が終わるとちゃっかり逆玉に乗って大金持ちのお嬢さんと結婚して一安心だったけどモンローはすっからかんのピーピーで困ってた。
で、学友であり戦友であり、いまやバージニアで有数の大金持ちの娘と結婚して弁護士、議員として売りし中のマーシャルに泣きついた。
「キミか奥さんの一族の力で何とかならんだろうか」
マーシャルは「なんともならん」とあっさり答えてます。
この本の序文を読むとマーシャルは本当に立派な人だったと紹介されてて、読んでも面白くないんじゃないかと心配したけど、だいじょうぶでした。
本文を読むとカックンとなることがたくさんある。
モンローに泣きつかれてあっさり突き放したマーシャルですがさすが面倒見のいい人だけあって親切にアドバイスしてます。
「今年の冬の寒さは異常だね。この寒さがキミの味方だ。一人寝のベッドで寂しさと寒さに耐えてる女性が多いんだよ。彼女たちは暖房装置を求めてる。暖炉じゃないよ。結婚だ。結婚したがってる女性がたくさんいるんだよ。キミはあのちびのジャックを知ってるだろ。あいつが結婚するんだよ。信じられる?それからあのうすらバカのロバートも結婚するんだぜ。キミにもチャンスは転がってるよ。メリーさんをおぼえてるだろ。きれいになったよ。見ちがえるよ。胸も大きくなったし」
「アメリカ合衆国司法の父」がこんなこと書くかなと思うんですが書いたんですね。
ジョン・マーシャルの言葉に力を得たモンローは「よっしゃ!わしも逆玉で行く!」と宣言して金持ちの娘をゲットした。
歴史の時間では習いませんけどこれが最初の「モンロー宣言」です。