芸術院の新しい会員の発表がありました。
今年から漫画部門ができて、ちばてつやさんとつげ義春さんが選ばれてます。
どちらもなつかしい名前です。
ちばさんの漫画を初めて知ったのは妹が読んでた少女向け雑誌の連載『ユカをよぶ海』。
雑誌の名前も漫画の中身もおぼえてませんでしたが、ネットで調べたら「少女クラブ」1959年から1960年の連載で、「画家修業のためフランスに渡ったまま消息を絶った父を待つ母を亡くした少女」の物語のようです。
この漫画でひとつだけおぼえてる場面があって、少女が新発売のたばこ「ハイライト」を見て、「hilite・・・ヒ・リ・テ?・・・あ、ハイライトか!」というんです。
ヘンなとこが記憶に残るんですね。
題名をおぼえてるんだから私も熱心に読んでたんだと思います。
私にとってちばてつやさんは「少女漫画家」だったのでその後少年漫画家として活躍し始めた時は意外に思いました。
つげ義春さんを知ったのは高校時代。
美術部でいっしょだったU君が教えてくれた。
彼は貸本漫画のファンで自分で借りた本をいろいろ読ませてくれた。
「こんな漫画があるんだぞ!」という感じでした。
こんな漫画があるのか!と思いました。
暗いドロドロした「社会派」漫画があるんだと驚きました。
U君が毎月部室に持ってきたのが『ガロ』という漫画雑誌でした。
貸本だから持ってきたその日に読み終わらなければならない。
忙しかった。
白土三平、滝田ゆう、水木しげる、つげ義春なんかが常連でした。
はまりました。
U君は去年亡くなったそうです。
かなり変わった男で一時は非常に親しく付き合った。
20年ほど前絶交されたけど、「私を絶交することは許さないと」はがきを出したら「こんなうれしいはがきをもらったことはない」と返事が来た。
変わってる。
いつからか年賀状の返事も来なくなった。
今年美術部のT君からの年賀状で亡くなったことを知った。