今日も「ふと思い出すシリーズ」です。
ふと頭に浮かぶ、というのはどういうことであろうか。
脳に余力があるということではなかろうか。
脳が余力を持てあまして、どうでもいいことを思い出す。
植木等が歌う「あんたの息子を信じなさい」という歌詞がふと頭に浮かんだ。
ウチの息子のことを考えてたわけじゃない。
好きな歌というわけでもない。
中学高校時代、植木等の歌が流行って好きでしたが、この歌は「その他大勢」という感じで題名も浮かばなかった。
調べて『学生節』とわかっても、そんな題だったかなあと思う程度。
思い出した歌詞もごく一部。
「柳は緑花紅風が吹いたらナンマイダ」
「色即是空あみだくじ」
あれ?仏教系の歌だったのか、と思いました。
「道歌」
仏教の教えを歌ったり仏教に導いたりする歌。
そう言えば植木等のお父さんは僧侶だった。
植木等の歌は「青島幸雄作詞萩原哲晶作曲」が多いけどひょっとするとこの曲は植木等本人かお父さんの作詞だろうか。
調べたらちがいました。
西島大作詞山本直純作曲。
西島大については映画の脚本家という以外に情報がない。
あらためて歌詞を見ると教訓的である。
「ひとこと文句を言う前にホレおやじさんホレおやじさん。
あんたの息子を信じなさいホレ信じなさいホレ信じなさい」
二番が母親に呼び掛け三番は先生に呼び掛け四番では恋人に呼び掛けてる。
『学生節』という題名は中身とずれてるように思います。
「あんたの知らない明日もある」という歌詞もなかなかのもんですが、「どっこいここは通せんぼ。ここに入れぬわけがある」とくるとほんと謎めいて哲学的です。
イギリスの文学者アレクサンダー・ポープの「天使が足を踏み入れるのをためらうようなところに愚か者はずかずかと入り込んで来る」という名文句を思い出させます。
ここってどこなんだろうか?
天使が足を踏みいれるのを恐れる場所とは?
あれこれ考えさせてくれるのが「名文句」なんでしょう。
答えはあるのかないのかわからんけど。
西島大さん、えらいんじゃないでしょうか。
ふと浮かんで得しました。