ふと思いだすことがあります。
以前、バッハの奥さんのアンナさんが書いた『バッハの思い出』という本を読んだことを思い出した。
楽しいほのぼのする本だったという記憶がある。
しかし、バッハの奥さんが書いたものがよく残ってたなあと思った。
バッハの手記ならわかるけど奥さんの手記。
ヨーロッパの画家に関する本を読んでたら、「公証人」というのがあって結婚や相続についての記録は庶民のものでも残ってます。
そういう「公文書」ではなくて画家の手記があったら面白いと思うけどないみたい。
アンナさんの手記は何か理由があって残ったんだろうかとウイキペディアで調べてびっくり。
『バッハの思い出』というのは1925年にイギリスの作家が書いた小説なんです。
ドイツ語に翻訳されるときにどういうわけか作者名を明記せず出版した。
それを日本人が奥さんの手記だと思って日本語に訳したようです。
非常によくできた小説だと思います。
私は完全に奥さんの手記だと思いこんでました。
そこまではいいけど、その本が1997年講談社の学術文庫から出てるというのはおかしい。
『バッハの思い出』
アンナ・マグダレーナ・バッハ
山下肇訳。
こういう表紙を見たらアンナさんの手記だと思いますよね。
訳者は東大教授だし。
講談社が読者をだまそうとしてるのではない。
そんなはずはない。
どういうことでしょうか。