時々絵をかけかえます。
美術予備校で模写したジョヴァンニ・ベッリーニの「ベネチア総督レオナルド・ロレダンの肖像」をロヒール・ファン・デル・ウェイデンの「若い女性の肖像」にかけかえました。
ぜいたくなもんです。
その昔アメリカの大富豪夫人ルイジーン・ハブマイヤーさんが来客から「一部屋にレンブラントが3枚もあるなんてお宅くらいのものね」と言われたそうですがウチも負けてませんよ。
精魂込めて模写に励んだごほうびです。
いいことばかりじゃない。
精魂込めて模写に励んだ天罰もある。
自分の絵をかける気がしない。
模写したルーベンスの「クララの肖像」の横に私が描いた孫の肖像をならべると、なんちゅうか、ちょっと見劣りするんです。
まったく見てられないというんじゃないですが、二、三日すると外したくなる。
で、我が家は今や模写だけ。
さて「若い女性の肖像」です。
居間にかけたんですが、「あれ?」と思った。
手がくっきりと明るく浮かび上がってるように見える。
「ははあ、こんなだったのか」と思いました。
今まで気づかなかったけど手を強調してあるみたい。
遠近感を出すためだろうか。
今になって気づいたのがちょっと不思議で何日かじっと見続けて謎が解けました。
手の部分に太陽の光が当たって浮き上がって見えたんです。
午前中しばらくカーテン越しに日が当たるとそう見える。
↓手の部分に日が当たってる。
↓当たってない。
当たってる方がいい感じだと思うんですが、北方ルネッサンスの巨匠ファン・デル・ウェイデンにそんなこと言うのもおこがましいので黙ってます。