コーラス、フラダンス、社交ダンス、大正琴などの発表会用で1万円以下です。
私とステージ衣装とのかかわりはヤマハでエレキギターを習いだしてからです。
2年目くらいの時ヤマハの西日本の教室のバンドコンテストに出ることになったんです。
担当の先生に「ステージ衣装、どうしますか」と聞かれて「ブレザーを着ます」と言ったら即「普段着はダメ!」。
「じゃあちょっと派手なのを買います」と言ったら即「ちょっとハデくらいではダメ!町を着て歩けないようなのでないとダメ!」。
「そんな恰好は・・・」と渋ってたら先生が「私の白いタキシードを着てください!」。
冗談じゃないと思ったけど先生の気合に負けて着ることになりました。
「白いエナメルの靴で」と言われるので「持ってません」と言ったら古道具屋に連れていかれた。
店頭に「白いエナメルの靴のなれの果て」みたいなのがころがってた。
750円という値札に恥じぬしょぼさであった。
先生が「ステージでライトを浴びたらこれで十分」と言われたので買いました。
当日、白いタキシードと白いエナメルの靴のなれの果てが演奏よりも注目を集めた。
ヤマハの社員が楽屋まで見に来るほどであった。
ステージ衣装がいかに大切か知ったし、後日ビデオを見て750円の白いエナメルの靴のなれの果てがライトによって燦然と輝くことを知った。
「鹿せんべい飛ばし大会」に出るようになってからは「ステージ衣装命」という感じになりました。
先生指定のステージ衣装屋さんにせっせと通いました。
その店には町を着て歩けないようなド派手な服が大量にあった。
結婚披露宴用貸衣装のお古だそうです。
「白いタキシードの上着のなれの果て」だと5000円で、店につるしてあると中華料理店の制服みたいなんですがステージでライトを浴びると燦然と輝く。
大阪の若手芸人の衣装はだいたいここで1、2万円のものだそうです。
私が選ぶのはその店の最高級品、4、5万円の「エバラ焼き肉のたれ黄金」みたいな豪華キンキラ金衣装でした。
その衣装でヤマハの発表会に出ると「ギターがヘタ」とか言わせないし言えない。
ただ、家内が泣いていやがった。
豪華キンキラ金衣装の私を見て、「こんな人と結婚したのか」と思ったそうです。
「鹿せんべい飛ばし大会」引退を宣言したら「待ってました!」とばかりまとめて粗大ゴミに出してしまったのは残念であった。