若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

若い!

今日は美術予備校。

黒板に木炭で描いた石膏デッサンが2枚貼ってあった。

美術予備校に石膏デッサンは当たり前ですが、最近は少ないです。

石膏デッサンが美大の入試から減って行ってるそうです。

理由は、石膏デッサンのようなしんどいことをさせると受験生が集まらないから。

ウチの予備校でも以前よりは減りましたが一応全員にやらせてるみたい。

で、今日見た2枚ですが、「若い!」と思いました。

「うまい!」というのじゃないんですが、「いい!」と思う。

若さですね。

学生が描いた水彩画を見ても、「いい!」と思う。

「いいぞ!若者!」という気がします。

受験生たちは、私に感激してもらっても仕方ないですね~。

がんばれよ!若者!

 

 

 

「おカネを入れてください」

今日は家内の病院。

三月から約一ヶ月の入院中は一日おきに通いました。

退院してからは週一の通院だったのが、二週間に一度でいいようになると、なんだか物足りないというかさびしいというか、習慣とは恐ろしいもんです。

おカネを払うのに、今日初めて自動支払機を使ってみました。

「初めての機械」にドキドキするのはトシですね。

家内が操作するのを私が横で監督しました。

診察券を入れると、ブイーンと音がしてなんか計算してるようでした。

「2200円」という数字が出ました。

手元の操作盤のふたがスライドして開きました。

「おカネを入れてください」という声が聞こえました。で、言われた通り家内が2200円入れました。

ふたが閉まるんだろうと思ったら、閉まらない。

「おカネを入れてください」という音声が聞こえた。

「入れましたよ!」と支払い機に向かって言いました。

「失礼しました」というかと思ったら言わない。

また、「おカネを入れてください」と言う。

まごついてたら、「おカネを入れてください」と何度も繰り返す。

札の向きが悪いのかと、向きを変えたけど、「おカネを入れてください」。

札をたたんだ方がいいのかと半分にたたんでもだめ、四分の一にたたんでもだめ、三角でもだめ、飛行機、だまし船、やっこさん、どうやっても「おカネを入れてください」としつこく繰り返す。

アタマにきて自動支払機をガンガン蹴ったりたたいたりしてたら、家内が、「あ!ここは硬貨を入れるとこって書いてある」。

紙幣の入れ口と別々だったんです。

音声は「おカネを入れてください」じゃなくて、「紙幣と硬貨を別々に入れてください」にすべきです。

本日午後一時頃、「天理よろづ相談所病院」の自動支払機を蹴ったりたたいたりしてる夫婦連れをご覧になった方、それは私たちです。

 

 

一大事!

夕食後、「ピンポ~ン」とチャイムが鳴ったので誰かと思ったら、ゆうちゃんとあきら君でした。

今頃二人でどうしたのかと思ったら、駆け込んできたゆうちゃんは半べそで、「おうちにパパもママもいない!」というんです。

あきら君はニコニコと、「おばちゃんとこやと思うで」と平気そうです。

ゆうちゃん、あきら君の家の向かいが「おばちゃん」の家です。

ゆうちゃんは、おばちゃんの家は電気がついてなかったと言うんです。

電話したら、パパとママはおばちゃんの家にいました。

ゆうちゃんが早とちりして、パパとママがいない!とパニック状態になったようです。

小学3年生にとっては一大事ですよね。

幼稚園年長さんにとっては一大事じゃないのか、弟だから「兄まかせ」で気楽なのか、あきら君は平気そうでした。

しかし、二人を落ち着かせようと、いろいろお菓子をすすめても珍しく二人ともどれもいらないと言って食べなかったから、あきら君も緊張はしてたんでしょう。

ゆうちゃんはしゃくりあげながら、「いつもママが、『困ったことがあったら、おばあちゃんとこに行きなさい』と言ってたから走ってきた」と言いました。

あきら君は、「ゆうちゃんがびゅ~って走るからしんどかった」と口をとんがらせてました。

激走1分ほどですが、無事到着してよかったです。

 

個人情報

病院で処方された薬を取りに薬局に行きました。

80代と思える男性がたくさんの薬を受け取ってました。

おなじみさんのようで、薬局の中年女性と親しげに色々話してる。

「あの薬は?」

「これです」

「あれは?」

「こっちです」

「あれが入ってない」

「後でお届けしますよ」

お届けとはかなりのお得意さんのようです。

「この紙は?」

「それは〇〇です」

「この紙は?」

「それは✖✖です」

「最近南さん見かけませんなあ」

「・・・ちょっと・・・しばらく・・・お休みいただいてます」

「ふ~ん・・・あ!おめでたか?」

「・・・さあ・・・」

「出産ですやろ」

「・・・う~ん・・・まあ・・・」

「出産とちがうの?」

「まあ・・・個人情報なんで・・・」

「個人情報!なんでそんな隠し事するの!おめでたでしょ!おめでたいことやないですか!なんで隠さんならんの!私はここでは一切隠し事はしてませんよ!全部話してるやないですか!」

たしかに薬局では個人情報丸出しだと思います。

「私は個人情報をさらけ出してるのに!」と言うこの男性の思いは理解できます。

薬局側にすれば、毎回業務外のことまで話が広がる、聞かなくてもいいこと、聞きたくないことまで聞かされてるという思いがあると思います。

個人情報問題と高齢化問題がからまる難しい問題だと思いました。

 

 

ロケットスタート

ロケットスタート」というと、陸上の100メートル走を思い浮かべますが、乗馬でもあります。

めったにないことで私はきのう初めて見ました。

きのうのレッスンは高校生の女の子と二人でした。

スラリとして日に焼けた、いかにも「乗馬女子」という感じの子でした。

障害も飛んでいるそうで、かなりの腕の子です。

ウオーミングアップは二人とも調子よく進みました。

駆け足は一人ずつすることになって、まずその子が走った。

で、スタート直後に、馬がビューン!と飛び出したんです。

「ひゃ~!これがうわさのロケットスタートか!」

指導員は、「おおっ!」と声を上げましたが、私は息をのみました。

いったいどうなることかと震え上がって見てたんですが、女の子はあわてずさわがず徐々に馬を落ち着かせていきました。

ふつうの走りになって、とまりました。

指導員が笑いながら、「だいじょうぶ?」と聞いたら、女の子も笑いながら「だいじょうぶです」と答えました。

さすが障害を飛んでるだけあっていい度胸してるなあと感心しました。

指導員が、「どうする?やめとこか?」と聞きました。

中高年ならここで当然「やめときます」と答えます。

こんなロケットスタートでなくても、馬にちょっと普段と違う動きをされると自分から「今日はやめときます」という人が多い。

ところが女の子は、「だいじょうぶです。乗ります」と言ったんです。

私は「やめて!」と思いました。

これ以上怖い思いをしたくない!

また女の子が走り出して、今度はふつうに走ってるように見えたんですが、指導員が「やめとこ~」と声を掛けました。

女の子はまたも「だいじょうぶ!」と言って走り続けました。

指導員は「う~ん」と言ってましたが、「やっぱりやめとこ」と言って馬の進路をふさぎました。

女の子は「だいじょうぶです!」と言いましたが、指導員は「私がだいじょうぶじゃないの!」と言って馬を止めました。

馬を交換することになって女の子が馬場から出て行きました。

「じゃ、若草さん、いきましょう!」と言われたんですが、ドキドキハラハラが収まらず正直なとこ行く気なし。

私の行く気のなさを感じ取って馬ものらりくらりでなんにもできないまま時間切れでした。

これほど馬を動かせなかったのは何年振りかとしみじみしました。

こんな時に限って見物が多くて、気の毒そうな笑いに迎えられたのであった。

女の子に「ええ度胸やねえ」と言ったら「えへへ」と笑ってました。

 

『赤い河』

ジョン・ウエイン主演の西部劇です。

ジョン・ウエインは名前だけ知ってたんですが、このところ立て続けに主演映画を見てます。

どれを見ても似たようなもので、「やかましー!オレは強いんだ。オレの言うことを聞け。聞かないとぶち殺すぞ」という感じの男を演じてます。

知性とか人徳とかにはエンがない。

ジョン・ウエインは西部のトランプさんで、東部のジョン・ウエインがトランプさんかな。

どれを見ても好感持てません。

今回の『赤い河』はとくにひどい。

裸一貫から大牧場主になった男の話ですが、「強いリーダー」というより、映画のお話のなかでも人望もなく孤立してしまってる。

「主人公」でもなく「ヒーロー」でもなく、「悪役」「カタキ役」「引き立て役」の部類だと思います。

「いい男」の役は、共演のモンゴメリ・クリフトなんです。

牧場から3か月ほどかけて牛を追って売りにいくんですが、誰の土地を通っていくのか前から不思議に思ってました。

1万頭の牛ですよ。

アメリカは広いとはいえ気になります。

まあ、ものすごい数の牛を見るだけでもネウチあるかな。

 

 

半人前

きのうは自治会の防犯パトロール

4時に公園を出発の決まりですが、皆さんヒマなのでじゃなかった熱心なので早くから集合して4時10分前には出発です。

4時前に来たら誰もいなかったという苦情は時々あります。

きのうは、100歳の万年青年Aさん、いや、もう梅野さんでいきましょう、梅野さんはじめ13人といういつにない大人数でした。

梅野さんは、私が会長になった2015年には、すでに「独自コース」を一人で回ってました。

通常のパトロールコースの半分くらいですかね。

それから徐々にへってきて、今年からは公園内と公園周辺だけということになってます。

これを「年には勝てず」というのは「不適切表現」ですね。

年には十分勝ってる。

いや、勝った負けたの話じゃないな。

私の貧弱な言語能力では表現しきれない状況である。

梅野さんがニコニコと元気よく「行ってらっしゃい!」と我々を見送ってくれるのが何となくさびしいというのも「不適切感情」という気がする。

ニコニコ笑ってるけど見送る梅野さんもさびしいんじゃなかろうかと思うのも大変大きな大変余計なお世話という気がする。

こういう色々複雑な気持ちというか自分で勝手にわざわざ複雑にした気持ちを胸に公園を出発。

約50分のパトロールを終えて公園に帰着。

梅野さんがニコニコと出迎えてくれた。

自治会のドンAさんが、「今日は多かったなあ!13人や!」と言ったら梅野さんがニコニコと、「12.5人!」と言った。

ニコニコと自分の顔を指さして、「半人前!」と言った。

素晴らしい反応にこけそうになりながら梅野さんの手を取って、「梅野さんは二人前ですよ!」と言ったら、ニコニコと「半人前!半人前!」と繰り返しました。