母が入ってる、要介護老人施設に行く。
ここの入居者の、ボケの程度の「やや」軽い人達と話してると、楽しく、スリリングなことがあります。
八十代の女性、AさんとBさんの会話に加わる。
Aさんは、満州で小学校の先生をしていた方です。
Bさん「あんた、学校の先生してたんやてな?」
「そうですよ」
「先生って、小学校?中学校?」
「大学」
「えっ!大学!?大学て、どこの大学?」
「ボケ大学」
「ボケ大学?」
「そう。ボケ大学でね、ボケ方教えてたんです」
「ボケ大学で、ボケ方を!?あははははは!」
「あはははは!」
私「・・・な、な、なははははは・・・」
先日、このAさんに廊下で声をかけられました。
「あの〜、あなたみたいなお若い方にお聞きしたら、わかりますかね〜」
(56歳の私であるが、ここでは、若いのである。「おにいちゃん」とか呼ばれるのである。うれしいのである)
「は、なんでしょう?」
「ここから、大連の運動場に行くには、どう行ったらいいんですか?」
こういう時は、困るのである。大連、奉天、旅順あたりの地理には弱いのである。
大正8年生まれのHさんに、「あなた、何年生まれ?」と聞かれたことがある。
「昭和21年です」
「21年!?若く見えるね〜!」
「イヤイヤ」
「昭和30年生まれくらいかと思ってたわ」
むはは、まあそれくらいには見えることでございましょーとも、と満足的納得であったが、
「軍隊では、戦地に行ってたの?」
「?★?●?×?」
ホンマに若く見えてるんかっ!?
明治42年生まれのMさんが、まわりの人たちに、生まれた年を聞いてる。
「あんたは?」
「明治44年」
「44年?そしたら、私より二つ下やな」
お見事!計算は、早くて正確である。
「あんたは?」
「大正4年です」
「そしたら・・・・私より、六つ下」
指折り数えてではあるが、早くて正確である。
「あんたは?」
「私は、明治2年です」(ほんとは、大正2年)
「明治2年?そしたら、私より40上やな」
よ、よ、40上なら130歳やがな!
計算だけは、早くて正確であるが。
私に向って
「にいちゃん、あんた何年生まれ?」
私は、茶目っ気たっぷりに、明るく可愛く
「ないしょ!」
「大正?にいちゃん大正かいな?大正何年?」
ワシは、昭和30年生まれか?大正生まれか?
どっちやねん!?どない思われとるんや?!