若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

ジャズダンス

次女がスポーツジムに行きだした。
昨日は、エアロビクスをしたそうである。
やせるために来てるような中年の女性が多いらしい。

何年か前、長女が所属するバレエ団が、某市の文化祭に出たので見に行った。
いろんなグループが出ていた。

席に着いたときは、薄暗い舞台で日本舞踊を踊っていた。
「次は○○ジャズダンスグループです」と言うアナウンスで、舞台は一転。まばゆいばかりの光!凄まじい音量、激しいリズム!

その激しいリズムに乗ってさっそうとダンサーたちが登場したと言いたいが、私は写実主義者なので、そうは書けない。

激しいリズムと関係なく、糸の切れたゴム風船のように、ふわふわと、なんとも言えぬ間合いを取って、次々と中年女性が現れたのである。

彼女たちを見た瞬間、私は思った。
この人たちはやせるためにジャズダンスをはじめたところだな。
ジャズダンスでやせられるかどうかは、まだわからんな。

しばらく見ていて、私は、彼女たちがレオタード姿であるのに気づいた。
レオタードはよく伸びる。
伸びるとレオタードに見えない。
苦しそうであった。
彼女たちじゃなくて、レオタードの方が苦しそうであった。

彼女たちがレオタード姿であると気づいた瞬間、私は頬が赤らむのを感じた。
はずかしー!
目をそむける、と言うとナンですが、こういう場合、見て見ぬふりをすると言うか、目をそらすのが紳士のたしなみと言うものではないかと悩む私を尻目にダンスは続いた。

私は、ジャズダンスがどういうものか知らなかったが、「これはラジオ体操だ」と思った。
子供からお年寄りまで、誰でも無理なくできる動きの繰り返しであった。
激しいのは音楽だけである。

と、彼女たちが見覚えのある仕草をした。
アメリカの映画とかミュージカルで、若い娘がヒッチハイクで車を止める仕草。
腰に手を当てて、お尻をチョイチョイ、親指を突き出してキュッキュッ、ウインクしながら頭をコックリコックリ、というあれです。
それを、彼女たちがとてもニコニコと嬉しそうにやったのである。

もーぜんと腹が立った。
なんじゃそれは!

そっちがその気ならワシもやるで!

当時、私は、「こんなウデで人前でギターを弾いていいのか」と悩んでいたのである。
「やったもん勝ち」の「見るもん負け」
これを私に教えてくれたジャズダンスグループに感謝します。