10時から、ヤマハ難波センターで、24日の発表会のためのリハーサル。
エアロスミスの曲は、K原くんが歌う。
私は、丑之助くんや、K原くんみたいな破壊的自滅的ボーカルにあわせて、爆音ギターを鳴らすのが好きだ。
気持ちよろしい。
12時、難波出発、奈良へ急ぐ。
奈良ヤマハの生徒募集説明会での「模範演奏」というか、「こんなもんです」演奏というか、まあ私たちが「商品見本」みたいになるわけであろう。
はじめは、私たち生徒の演奏だけと聞いていたが、やはりヤマハでは不安になったらしく、先生達の演奏もやることになったようだ。
それがよろしい。
今年の発表会でやった「恋の片道切符」を、「おじさん」中心の同じメンバーでやる。
五回合わせてみたが、「OK!」という感じであった。
ところが、例によってというか案の定というか、本番では、誰ともなくそれぞれにおかしくなって、何だかヘンな終わり方になってしまった。
「本番より本番前のリハーサルの方が必ず出来が良い」というのは、「ヤマハの法則」というべきか、音楽の神秘と言うべきか、私が呪われているのか。
難波からの電車。
塾の模擬試験でもあったのか、そういう感じの親子連れが多い。
隣の席に、若いお母さんと、小学三、四年の男の子。
お母さんは、試験問題みたいなプリントを見ている。
お母さんの字だろうか、「共有する人の輪が広がる」と書きこんである。
次の駅でおばあさんが乗ってきた。
今時珍しい、和服の小柄な「典型的日本のおばあちゃん永久保存版」みたいな人であった。
私は席を立った。
おばあさんは、「有難うございます」とていねいに礼を言って席に座った。
隣の男の子が小声でお母さんに、
「ボク、かわってあげようと思った」と言った。
かわいいことを言うではないか。
私は、自分を指差して、男の子に言った。
「ありがとう。でも、子供より若者がかわらんとね」
男の子は、私の顔を見てきょとんとしていた。
お母さんは下を向いてくすくす笑った。
おばあさんは、私を見上げて、真面目な顔で
「いや〜、お若いことおませんがな」
と言った。
あらららら!
うえ〜ん!
おばあちゃんの意地悪!