若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

「カラシニコフ:銃・国家・ひとびと」

朝日新聞の連載記事。

カラシニコフ」というのは、旧ソ連軍が1947年に採用した自動小銃で、安価で丈夫で誰にでも簡単に使えるというとんでもない武器であるため、大変な人気商品で、世界中の軍隊や武装勢力が使用している。

設計者と言われるミハイル・カラシニコフは、現在84歳で質素な年金生活者である。アメリカの軍用自動小銃を開発した人は億万長者だそうだ。
「市場」での人気は圧倒的にカラシニコフが上だと言うのに気の毒である。

自衛隊自動小銃は国産品だそうだ。
日本は武器を輸出しないので、大量生産ができず、価格は海外品に比べてとんでもなく高いそうだ。

この小銃の銃身にカタカナで「アタレ」と書いてあると言う。
おもしろい!
まるで若草鹿之助商店の製品のようだ。
これは、「当たれ!」ではなく、「安全」で「単発」も「連発」も可能と言う意味だそうだ。
ほんとか?

カラシニコフ」は武器の世界では異例のロングセラーであるが、細かい改良は加えられている。
1980年代に入ってかなり大きな改良が加えられた。
当時は、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」「品質、技術の日本」と言う時代だったので、ソ連軍はそのイメージに便乗して「カラシニコフ」の改良型を「ワサビニコフ」と名づけた。

ところが、部隊に配備された「ワサビニコフ」の評判は悪く、すぐ消えてしまった。
撃った後、鼻にツンと来るというのだ。

しかし、最近になって「ワサビニコフ」復権の動きが見られると言う。
ここ数年、ロシア軍でも「スシブーム」がおき、「ワサビニコフ」もそのヘルシーなイメージが見直されているのだ。

また、市場経済化の波で、自動小銃も高級化がすすみ、「トロニコフ」や「イクラニコフ」などというブランドが人気を集めているそうだ。
先日は「究極の自動小銃」と銘打って「ウニイクラニコフ」が発売され話題を独占した。

こうした日本的イメージの浸透を快く思わない保守派が設計した超高級自動小銃が「キャビアニコフ」で、プーチン大統領のお気に入りと言うことだ。

先日、モスクワに「回転銃」の第一号店がオープンし、世界の武器商人達が殺到した。
武器商人達は、回転する銃を見ながら、やはり「カラシ」がいい、いや「ワサビ」だ「トロ」だ「イクラ」だと品定めに余念がなかったと言うことである。