朝の電車。
私はいつものようにドアのところに立って、本を読むようなフリをしながらヘンな人がいないか目を光らせていた。
車内の真ん中あたりに、私に背中を向けてつり革を持って立っている男性がいた。
40代と思えるサラリーマン風の男性だ。
その人が突然ガクンと進行方向へ向けて倒れそうになったと思ったら、つり革で支えて身体をユラリと捻じ曲げたので上半身がこちら向きになった。
ちょうど、電車が急ブレーキをかけたときの身体の動きだが、電車は普通に走っているのである。
ヘンだな、と思って見ていたら、また同じ動作を繰り返した。
どこか具合が悪いのだろうか。
そう思ってみると、具合の悪そうな表情にも見える。
少したって、また同じ動作をした。
彼の横の方にいた若い女性が離れて行った。
気味が悪くなったのだろう。
なんと、彼はつり革をつたって彼女の方に近づいた。
そしてまた同じ動作をした。
彼女はまた彼から離れた。
ガクンガクンと彼女を追っていくようで、これは大変だと思っていたら、男は次の駅で降りた。
なんだったんですか。
高校生男子Ａ君とＢ君。
Ａ君のウォークマンをＢ君が借りて聞いている。
「俺の知らん曲かなりあるな」
「どの曲？」
「・・・イヤ・・だから知らん曲」
「たとえば？」
「・・・だから、知らん曲やて言うてるやないか！」
坂口厚労相が、記者会見で、相次ぐ狂牛病とトリインフルエンザに、「モウけっこうと言いたい」と語ったことで批判され陳謝したそうだ。
ご本人は軽い気持ちで言ったのに、ギュウッといわされてトサカにきていると思う。
気の毒である。
若草鹿之助商店駄洒落事業部では、大臣が駄洒落に対する国民の意識改革と、政治の場における駄洒落の普及に大きな貢献をされたことを称えて、坂口厚労相に功労賞を贈るものである。
