若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

白い巨塔

話題のテレビドラマ「白い巨塔」が大詰めである。

はじまった頃はけっこう見ていたが、最近あまり見ていない。
二十数年前のシリーズは熱心に見たように思う。
こちらも年をとったし、時代も変わって、作る側にも「社会問題として取り上げる!」というような気合がないからだろう。

昨日は、裁判で負けた財前五郎がガンに倒れ、恩師東の執刀により手術を受ける場面で終わった。

今回はここからが時代に合わせて原作と大きく違ってくる。

肺ガン手術の名手として、財前が信頼し執刀を依頼した東であったが、自分の証言によって敗れた財前の手術に心理的に動揺し、大きなミスを犯し、財前は死亡する。
財前の義父又一は医療ミスとして東を訴える。
因縁であろうか、東も裁判所で倒れる。
肺ガンに犯されていたのであった。

東は手術を佃医局長に依頼する。
抜擢に張り切りすぎた佃も大きなミスを犯し東は死亡する。
東の遺族は佃を訴え、佃は裁判所で倒れる。

肺ガンであった。
佃は柳原医師に手術を依頼するが、柳原も大きなミスを犯し訴えられる。

恐るべき「国立浪速大学付属病院連続手術ミス事件」のはじまりである。

そのさなかに、国立大学民営化が決定し、浪速大学付属病院は株式会社なにわ病院になる。
しかし、連続手術ミス事件で患者は激減し倒産の危機に見舞われる。

緊急理事会が開かれ、イメージアップの切り札として、千成病院の里見先生が社長に迎えられる。
女性ファンが多く、子宮ガンや乳がんの患者の増加が期待されたのである。

そびえたつガンセンターを前に、里見社長と東の娘佐枝子が語り合うラストシーンが印象的だ。

「先生、おめでとうございます」
「佐枝子さん、僕はもう先生じゃありません」
「あ、ごめんなさい、社長。とうとうこの白い巨塔の主ですね。患者さんのために頑張って下さい」
「いや、今のボクの使命は、従業員ならびに株主の皆様のために頑張ることです。しかし、資金繰りが苦しくて」
「社長!苦しくてもマチ金に手を出しちゃだめですわ。手形の割引なら、いいとこ知ってます」
「さ、佐枝子さん!」
「わてかて、大阪で生まれた女やさかい」
「なにわ病院の経営は大きく傾いているんです」
「じゃ、白い巨塔じゃなくて、白い斜塔なんですね」
「え〜かげんにしなさい!」
「ほんとにネッ!」

                (完)