若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

ギター立ち往生

昨日、「ホテルカリフォルニア」のギターソロで止まってしまった。
弾いている途中で止まるのは私だけではない。

土曜日、琉金之助君のギターを聞きに行った。
彼は、二ヶ月に一度くらいのペースで、奈良市内のレストランでライブをしている、というと、とてもおしゃれなかっこいいことのように思われるかもしれんが、他に書き方がないのでこう書いておく。

私は彼を「名人」と呼んでいる。
彼が弾くのは「コンテンポラリーギターミュージック」とでもいう音楽だ。
アコースティックギターの可能性を搾り尽くそうというものだと思う。

久しぶりにメールが来て、6月19日よかったらお越しください、とのことであった。
なぜわざわざメールで知らせてきたのか。
琉金之助君の告白によれば、前回客がゼロだったからだ。

惜しいことをした!
無人のレストランで、コンテンポラリーギターミュージックを熱演する彼の姿を見たかった。
しかし、私が行けば「無人」にはならないから、窓からのぞいていなければならない。

そんなわけで「非常召集」がかかったのだ。

彼が弾く曲は、素人受けするものではないと思う。
で、お客様サービスとして弾き語りをした。
彼の歌を聞くのは久しぶりだ。
歌もいけるので、どんどん歌えばいいと思うが、彼は「歌は顔ほど自信がない」と言う。
勘違いだ。逆だ。

彼が、「では、『かぐや姫』の曲を2曲歌います」と言って、気持ちよさそうに歌いだしたとき、私は気の毒に思った。
彼は私が「『かぐや姫』嫌い」であることを知らないのだ。
テレビを見ていて、「かぐや姫」関係者が出ると、家内や子供は何も言わなくてもチャンネルを変えるほどだ。

私がむかついているとも知らず琉金之助君は実に楽しそうに歌っている。
知らぬが仏とはよく言ったものだ。
不幸中の幸いは、「神田川」を歌わなかったことだ。
もし歌っていたらコップが飛んだかもしれない。

さて、ギター曲になって、彼は途中で止まってしまった。
彼はたまに止まる。
華麗なテクニックを見せびらかして弾きびらかしている最中に、どういうわけか、止まる。
私はそれを楽しみにしている。

「すみません。間違いました。やり直します」
よせばいいのに、と思う。
やり直してうまくいったためしがないのだ。
案の定また止まってしまった。
恥の上塗りだ。
楽しい。

次回は、窓からのぞこう。