いよいよ明日は発表会だ。
楽しみかというと、そんなことはない。
なんとなくイヤな感じもする。
出なければよいのであるが、出たい。
1曲だけにすればいいのに、何曲かやってみたい。
誰に頼まれたわけでもなく、命令されたわけでもなく、失敗しても一円の損にもならず、誰が気にするわけでもないのに、いつも悪夢にうなされる。
不思議である。
「エレキギターの呪い」だ。
尊師は、本番で決まって私の指が硬直して引きつるのは、練習しすぎではないかと言われる。
1週間前には、何とかサマになっているのだから、直前はあまり練習しないほうが良いといわれるのであるが、そうはいかん。
本番が近づくにつれ、忘れるのではないかと言う恐怖に取り付かれるのである。
当日はじたばたしないが、前日はじたばたする。
今もじたばたしている。
ウクレレのKさん(元○○生命課長)は出番直前までじたばただった。
何年か前、次女が私たちのバンドのキーボードで出たことがある。
その時、次女は出番を待つKさんの猛練習に驚いていた。
「Kさんの練習、すっごいなー。本番前にあれだけ練習していいんかて思うくらい弾きまくってはったワ。
何回も何回も。終わったと思ったら、すぐまたはじめはるねん。
それがまた1回ずつ微妙にちがうねんなー」
Kさんの気持ちがよくわかる。
1回ずつ微妙に違うと言うのもよくわかる。
私たちのトシになると、相当練習しても、神経と筋肉の「演奏回路」が定着、固定しないのであろう。
などと、いくら冷静に合理的に科学的に分析しても何のたしにもならない。
残念である。
すべてはステージに上がってからのウンまかせだ。