アテネオリンピックのハンマー投げ金メダリスト、ハンガリーのアヌシュ選手のドーピング疑惑問題が浮上し、IOCによる聴聞会が実施されることになった。
若草鹿之助商店オリンピック事業部の調査によると、この聴聞会で、アヌシュ選手は爆弾発言をする可能性がある。
薬は飲んだが、それは室伏選手から渡されたもので、自分は陥れられたのだと主張すると思われる。
アヌシュと室伏は、ライバルとして競い合ってきた。
2003年の世界陸上パリ大会では、アヌシュが二位、室伏が三位であった。
この時、アヌシュは投げる直前、シャックリに苦しんでいた。
一投め、シャックリのため記録は2メートル。
二投めはシャックリのためハンマーが身体に巻きついた。
苦しむライバルの姿を見かねた室伏は、物陰に潜み、アヌシュが歩いてくるのを待ち構え、突如飛び出して、「ウオリャー!」と絶叫した。
フィニッシュの時の雄たけびをかまされて、アヌシュのシャックリはピタリととまり、二位になった。
この美談はハンガリー国営テレビで、「友情のシャックリ」として放映され、大評判になった。
それ以来、ハンガリーでは、シャックリのことを「ムロフシ」と言うようになったほどだ。
アテネで、アヌシュはその風貌で人気を集めた。
行く先々でアテネ市民に取り囲まれた。
愛国者であるアヌシュは、そのたびに「ハンガリー!」と叫んだ。
彼のような体格の男が「ハンガリー!」と叫べば、誰が聞いても、「ハングリー!」と聞こえる。
それで、アテネ市民達は、「腹がすいているのか!」と同情して、土産物の、「アテネ饅頭」や「五輪ようかん」「ソクラテス最中」「期間限定五色チョコレートオリンピックポッキー」等を食べさせた。
アヌシュは、わけがわからないままに差し出されるお菓子を食べた。
少し歩くと、また取り囲まれ、「ハンガリー!」と叫ぶと、「アテネ饅頭」(以下同文)
連日甘いものを食べさせられて、試合当日アヌシュは胸やけに苦しみ、げっぷをしていた。
苦しむライバルの姿を見かねて、室伏選手は「太田胃散」を飲ませてやった。
スッキリしたアヌシュは好記録を出し金メダルを獲得した。
疑惑を抱いて胸がモヤモヤしているIOCの委員に、アヌシュは「太田胃散」を飲ませてスッキリしてもらおうと計画しているそうだ。