若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

ライブ2

ドラムのIさんがとんでもないテンポでたたき出さないように、危なそうな曲の前には、私が、「次はミディアムテンポの曲です」などと「解説」を入れて進めた。
ところが、「恋の片道切符」で、Iさんは違う曲をたたき始めた。

これで一応バンドの問題点がすべて披露できたことになる。

私は、今回のライブでは、ギターを弾いたというより、しゃべったというほうがあたっている。

バンドの持ち時間30分、演奏時間は7曲で17分。
10分以上しゃべっていなければならない計算だ。

普通のしゃべりでは間が持たないだろう。
それに、「突発事故」の可能性もある。
ボーカル、ドラム、ギターという危険箇所が同時多発的に事故を起こした場合、ステージで三人がののしりあうなどの壊滅的事態が発生する恐れがあると思えた。

その場合に備えて、客の注意を音楽からそらしておく必要がある。
「演奏を聞かせる気があるのか、なんだかわけがわからんな」と思わせることが重要だと思えた。

ダジャレの連発しかない。
練習のときメンバーに披露したダジャレがまったく受けなかったので、勇気を奮って一発目をかましたら、「あはは」という笑い声がむなしく響いた。

「いっちー」の声だ。
「いっちー」は、ドラム、ギター、ボーカルといろいろやる若者だ。
彼にはもう一つの顔がある。
ヤマハ関係で一番寒いジョークを言う男として有名なのだ。

彼にだけ受けたと思うと複雑な気持ちであった。
しかし、二発目、三発目と笑ってくれたいっちーも、四発目以降黙ってしまったのはさびしかった。

演奏終了後、控え室にいたら家内がやってきた。
家内に続いて入ってきた人が、私に向かって
「しゃれ、くだらんっ!」
と一喝したので驚いて顔を見たら娘だった。

一つ自慢できるのは、ちょうど30分で終われたことだ。
「曲17分、しゃべり10分、事故その他3分」の予定であった。
プロなみ、といいたいが、偶然でしょうね。