なんか中途半端で終わった文章があったなーと気になっていた。
12月30日に書いた、伯母の日記についての文章だ。
日記を保管していた伯母の姉について書くはずだった。
前に書いたように、最後に残った伯母は非常に几帳面な、片付けの上手な人だった。
90歳で一人暮らしのところを訪ねて、「ひもがないか」とか「ビニール袋は?」と言うと、「たんすの何段目」とたちどころに答えが返ってくる。
そして、そのたんすの引き出しに、きちんと整頓された紐や袋が入っているのであった。
先に亡くなった自分の妹の遺品も自らの手で処分していた。
あっさりした、こだわりのない人だったから、妹の形見にと残しているようなものもなかった。
「あんたが読むかもしれないから」と、私が興味がありそうな本を残してあった程度だ。
それだけに、紙箱に乱雑に放り込まれた日記が異様に思えた。
妹の日記だ、とは知っていただろう。
読みたいと思わなかったのだろうか。
読んではならない、どころではなく、触れてはならない、とでも言うような状態で置かれていた。
誰にも見せたくないなら、捨てればよかった。
生涯をともにした妹の日記を、伯母は読むこともなく、捨てることもせず、私に言い残すこともしなかった。
どうしてですか、伯母さん。