若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

疾走するギター

発表会のためにベンチャーズの「10番街の殺人」を練習している。
だいたい覚えた。
頭で覚えてからが問題だ。
覚えたとおりに指を動かさなくてはならない。

私の指は頭より覚えが悪い。
指が一曲をなんとかぼんやり覚えるのに二ヶ月かかる。
以前高校生と話していて、一曲覚えるのに約一週間と言ったので驚いた。
私の指は覚えるのが遅い。
私の指の名誉のために言っておくが遅いばかりではない。
忘れるのは早い。

練習あるのみ。
弾いていたら家内が、「CD聞いてるみたい」と言う。
そんなわけないだろうと言っても、ベンチャーズのCDそのままだと思うと言う。ふざけて言っているのでもなさそうだ。

うれしいではないか!
持つべきものは妻だ!と感謝感激しつつも、ちょっとおかしいんじゃないかと心配になる。
あるいは何かたくらんでるのか。
指輪でも買うとか。

ギターの練習は自分で弾くだけではダメだ。
元の曲もよく聞かなければいけない。
ベンチャーズのCD、「10番街の殺人」を聞いていたら次女が少し聞いてから、「あ〜!この曲!?」と言った。

アンプでそこそこ大きな音で練習するから、家族の者たちは嫌でも私の弾くギターを聞かなければならない。私の演奏と原曲は微妙に違うから、原曲と私の演奏とがすぐには結びつかない。
全然違うわけでもないからしばらく聞くと私が練習してるのはこの曲だとわかる。

ベンチャーズの名演に耳を傾けていた娘が言った。
「スピード感が違うナ」

長年ピアノをやってきただけあって、家内と違って的確な批評である。
上等ではないか!
相手はベンチャーズノーキー・エドワーズだ。
「スピード感が違う」という批評はほとんど絶賛に近いと言える。
と思う。
娘の言葉を受け入れる。

しばらくしてまた娘が言った。
「パパのはハワイアンみたいやな」

ハ、ハ、ハワイアン・・・(-_-;)

これは受け入れがたい。
が、娘に言い返すのも大人気ない。
耐えがたきを耐え忍び難きを忍んで薄笑いを浮かべて受け入れる。
娘はダメだ。
やはり頼りになるのはちょっとおかしくても妻である。