若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

「こどもたち」

昨日テレビで高校野球を見ていた。

勝利監督インタビューで、監督が何度も「こどもたちが」という。
なんだか変な気がした。
「生徒たち」とか「選手たち」といえばいいではないか。

と思っていたら、朝刊で別のチームの監督がやはり「こどもたち」といっている。

私は高校の時美術部だったが、先生が私たちのことを「こどもたち」などといったら、むかつきかつばかにしていたと思う。

「こどもたち」というのは、高校野球の業界用語なのか。
高校スポーツの業界用語か。
高校サッカーでも選手を「こどもたち」というのだろうか。

「こども」扱いしないと甲子園常連校にはなれないのだろうか。
私は、高校の時野球部の選手として甲子園を目指したことはないし、監督として目指したこともないので、わかりにくい問題である。

私が高校3年の時の担任の橋本先生は生徒をこども扱いしなかった。
授業を真面目に聞かない生徒には、「やる気がないなら外に出ろ。義務教育じゃないんだから」と言った。

それでは、と教室を出る生徒がいなかったのは残念である。

プロ野球の広岡さんがヤクルトの監督になったとき、練習中、選手たちのやる気のなさに驚いた。
当時のヤクルトは弱小球団だった。
怒った広岡さんが選手たちに、「やる気がないなら帰れ!」といったら全員帰ってしまったそうだ。

さすがプロ、私たち高校生より上だ。

橋本先生は、生徒を一人前のおとなとして扱ったともいえるし、生徒に関心がなかったともいえる。
先生の関心は「ゾウリムシ」に向かっていたのだ。

橋本先生のおかげで私は落第できた。
他の先生だったら、うるさく尻をたたかれて、たぶん落第できなかったと思う。
幸いなことに先生はゾウリムシに夢中だったのだ。
橋本先生に感謝すればいいのか、ゾウリムシに感謝すればいいのかわからない。

橋本先生はゾウリムシの研究で博士号をとった。
橋本先生といっしょに、私もゾウリムシに感謝すべきか。

いずれにせよ、私の落第は、高校生を一人前のおとな扱いするとどうなるかというよい例だといえるだろう。