若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

書評

つい先日、『今日はラッキー!』が、出版社別売れ行きランキングの最下位から一気に201位になっていて驚いたところだが、昨日見たら91位になっていてさらに驚いて、今日はどうかと思ってみたら95位になっている。

こういう自費出版本は、販売部数0冊から10冊くらいの間にひしめきあっていて、一冊売れると10位くらい順位が上がるのだろう。

このアマゾンのランキングを見て、「書評」があるのに気づいた。
読んだ人が投稿するようだ。

自費出版の本は、たいてい知り合いが読むのだから、ほめまくってあるのだろうと思って、いくつか「書評」を読んでみた。

意外なことに、いかにも「知り合いが書きました!」という「書評」はなかった。
知り合いでないようなふりをしてほめてるのか。

ひょっとすると、「自費出版ファン」というような人がいるのではないか。
「素人が書いた本ってどんなのかな」という「こわいもの見たさ」系オタクみたいな人。

あるいは、「素人の本」に親しみを感じる人。

あるいは、ヤマハにおける尊師のように、素人が悪戦苦闘し、もだえのたうったあげくにこけるのを楽しむ人。

まあ、いろんな人がいるだろう。

こんな書評があった。
「これまで読んだ本の中で、これほど自分のためにならなかった本はない」

私には書けない書評だ。
自分のためにならない本、くだらん本、ばかばかしい本は無数に読んだし、これからも読むであろう。
少々のことでは驚かない。
簡単にいい本に出会えると思ったら大間違いだ。

こんな書評もあった。
「作者は続編を書くつもりのようだが、やめてほしい」

大きなお世話だ。
続編でも続々編でも書かせてあげなさい。

書評を書くと、本より評者の質がわかる。
『今日はラッキー!』を読んだたくさんの方から手紙やはがきをもらった。
『今日はラッキー!』をほめたたえて、自分の知性と教養と感性の素晴らしさを高らかに示した人もいるし、逆に、T君のように、『今日はラッキー!』をぼろくそにけなしたために、己の知性と感性の貧弱さを赤裸々にさらけ出して汚辱にまみれてしまった気の毒な人もいる。

書評はむつかしい。