この、「今日はラッキー!」を本にしようと思って作ったのが『今日はラッキー!』だ。
『今日はラッキー!』を売る気はなかったと言えばうそになる。
売れればラッキー!だと思った。
なんかの間違いで買ってくれる人があるかもしれない。
本を作るのにいくらくらいかかるだろうか。
まずそれが気になった。
金に糸目はつけん!と豪語するほど私は太っ腹ではない。
朝日新聞にしょっちゅう自費出版の大きな広告を出している会社があったな。
そこに聞いてみよう。
その話は前に書いた。
http://www3.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=308273&log=20060905
会社の名前は新風舎。
その後、新風舎の社長が、朝日新聞の「注目企業の経営者紹介ページ」に大々的にとりあげられた。
「表現者をサポートする会社」みたいなことが書いてあった。
ふと、あの会社、インターネットに出てるのかなと思って調べてみた。
なんと!
とんでもない注目企業ではないか。
いろんな文学、絵本、写真などの賞を作って応募者を募っている。
特賞になったら新風舎が出版してくれる。
張り切って応募したが落選する。
がっかりしていると電話がかかってくる。
あなたの作品は、おしくも落選しましたが、このままにするのはおしい!
出版経費を、わが社と半々の協力出版ということで出版しませんか。
こうして200万円とか300万円とか出させる。
「売ってあげます」ということで、自費出版の倍以上の金を取るようだ。
出版社として「売る努力」をしたかどうかが、詐欺かどうかの分かれ目になるような、微妙な、というか、いかがわしい商法のようだ。
うぶな私がよく引っかからなかったもんだ。
若い女性社員が、「出版費用は300万円」と言った時、私の顔がよほど激しくひきつったのだろう。
このおじさんはカネを持ってないナ、と見放されたのが幸いだった。
私の表現力の勝利だ。
それにしても、朝日新聞はおそまつである。
あの、「注目企業の経営者列伝」には、かなりいかがわしい人が出ていると見て間違いないだろう。
昔、アサヒビールの樋口会長の講演を聞いた。
「スーパードライ」で評判だった。
樋口さんは、「評判の経営者って、ややこしい人が多いですよ」と言った。
評判の経営者であるご本人の言葉だから説得力があった。