若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

「花舞台」

さて、問題の宝塚歌舞伎レビュ−テ−マソング、Iさんとヤマハが誇る猛女じゃなかった美女四人、リンダさん、うっちゃん、いずちゃん、Uさんが歌って踊る「花舞台」である。

うれしがって出番のずっと前から着物に着替えてうろちょろしていた。
Uさんは、「ウナセラディトウキョウ」の孔雀ドレスの方がハデで良かったのじゃないかと思った。

何と言っても、四人がおとなしくバックで踊っているかというのが心配の種であったが、尊師もよほど心配だったようで、ステージにパイプ椅子が四つ用意してあった。

Iさんがステージ中央のマイクの前に立つと、四人は椅子に座った。
係りの人が縄を持って現れると四人を椅子にぐるぐる巻きに縛りつけた。
なるほど!
これなら安心だ。

四人が踊り狂うためには、この縄を抜けなければならない。
ミスター・マリックの超魔術か引田天功のスーパーイリュージョン縄抜けの術が必要だ。

音楽スタート!
着物姿もりりしくすっくと立ったIさんが、高く掲げた扇子を、表、裏、表、裏とリズムに乗ってひるがえす様は、手旗信号と言うよりも、関が原合戦東軍大勝利を知らせる「甲賀のくの一」という感じであったが、音楽が進むにつれ身体が温まってきたか、自然な動きは手旗信号、ラジオ体操からカモメの水兵さん、そしてついに優雅華麗な白鳥の舞になったのである、と書くと、なんかおかしいな、いつもなら、「白鳥と言うよりドナルドダック」くらい書きそうなものと不審に思う人もいるだろう。

ひょっとするとこれを読まれるかもしれないと思うとあんまりなことは書けない。
実は発表会後の打ち上げのとき、IさんとUさんが隣に座り、リンダさんが向かいに座った。
Iさんがいきなり私をにらんで、「ひどいこと書かれてるそうじゃないですか!」と言った。
Uさんも私をにらんで、ドスのきいた声で「それ、どうしたら読めるの!」とすごんだ。

ひえーっ!誰かリハーサルのことを書いたのを告げ口したようだ。
誰じゃ!?
向かいに座ったリンダさんを見たら、ぱっと天井を見上げてとぼけた顔で口笛を吹きはじめた。
「ひばりのマドロスさん」だ。

リンダさんが天井を見上げて口笛で「ひばりのマドロスさん」を吹くのはとぼけている証拠だ。
慎重に書かなければならぬと思った。