若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

鯛の刺身

28日は高校の仲間で忘年会。
師走も末の28日に、仕事や家族の関係でもなく、ただふらふらと飲もうという気楽な男4人女3人が集まり、威勢よく乾杯のあと、年金の話と退職後どうしたらいいのかという切実な話題で大いに盛り上がった。

いつも幹事役をつとめてくれるF君を、知らない人が見たら、ヤクザとは言わないまでも相当ガラの悪い男だと思うだろう。しかし、彼は元々ガラの悪い男ではなく、仕事上やむを得ずガラの悪さを身につけようと三十年努力した甲斐あって、完全に元々ガラの悪い男であるかのように見えるだけである。
完全になりきっているので、彼がマトモな男であったことは我々友人はもとより、本人も忘れている。

そのF君が、割れ鐘のような声で、「若草!お前、刺身好きやったなあ」と言いながらケイタイを渡した。
刺身は好きだ。
うまい刺身でも食わせてくれるのかとよだれをたらしながらケイタイの画面を見たら、彼が大きな鯛を持って私を見てにっこり笑っている。
なんだこれは。

「その鯛、70センチやで!70センチ!4.5キロ!そんなもん、かかってみいな!ひきが強いてなもんやないで!」

エンエンとつり自慢である。私はつりに興味はないのに、エンエンと聞かされた。
結論を急ごう。
結論は、大きな魚はうまくないというのはウソで、70センチ4.5キロの鯛の刺身はとんでもなくうまかった。

私の刺身は?
私の刺身は鯛の刺身のつまか。
つりの自慢をするのに、「若草!お前、刺身好きやったな」はいくらなんでも強引ではなかろうか。

飲み屋を出て、もう一軒ということであるが、全員、もういい。
トシですね。

ではコーヒーでもということでホテルに移動。
そこでメニューを見てびっくり。
F君が声を荒げて、「コーヒーが900円でビールが700円てどういうこっちゃ!」

「い、いや、どうなってると言われましても・・・」とボーイはたじたじである。

「おお!そうや!コーヒーは飲み放題や!一人頼んで皆で飲も!」
「いや、そ、それは・・・」
またもボーイはたじたじである。

結局、コーヒーは損ということになってアルコールにしました。