若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

車内勉強会

電車で勉強している人は多い。

朝は、高校生がたくさん乗っていて、教科書や参考書を開いて熱心に勉強している。
私も、中学、高校と電車通学だったが、電車で勉強なんかしただろうか。
通学電車の中でのことはおぼえていない。

高校のとき、車内で小学生達が、『おそ松くん』の話をしているのを聞いて、なんとくだらんタイトルの漫画があるものだとあきれたことがある。
向かいの席で、お母さんに抱かれた赤ちゃんが、手足を複雑微妙へんてこりんに動かし、顔面を自由自在へんてこりんに動かすのに感心したことがある。

おぼえているのはそれだけだ。

いつもいっしょになる女子高生がいる。
一年生だろう。
小学生のような顔をしている。
末っ子ではなかろうか。
寝ぼけたような顔を見ているとにやけそうになる。

小さな子供を見てニコニコしても、子供好きのおじさんですむが、女子高生を見てニコニコするわけにはいかんので、ぐっとひきしめて、佐藤弘夫著『日本中世の国家と仏教』を読む。
著者33歳の本である。
33歳でよくこんな本が書けたなと感心する。
引用文献だけでもすごい。
私は、少々がんばってもプロ野球選手にはなれなかったと思うが、学者にもなれなかったと思う。

感心しながら目を上げると、女子高生が本を開いている。

「奈良の都と平安京:貴族の政治」

お!お嬢さん、同じようなところを勉強してますね、ちょっと読ませてちょうだいと言いたい。
参考書のようだ。
カラーの写真がたくさん入った豪華な本である。

今の子は恵まれてますね。
キミ!アジア、アフリカ、中南米の、学校にも行けない子供たちのことを考えてみなさい!その子たちの分までしっかり勉強しないとダメだよ!と、私が国際的視野に立って厳しい目でにらんでいるのも知らずに、寝ぼけ顔で読んでいた。
日本史の試験、だいじょうぶか。