先日、猛烈な反感を持って読み始めた「進化しすぎた脳」は面白い。
「大脳生理学の最前線」は刺激的です。
読んでいる途中でなぜこういうことを書くかと言うと、読むはしから忘れるからだ。
今のうちにほめておこう。
電車の中で読んでいて、「クオリア」という言葉が出てきた。
あれ?前に出てきたな。
なんだったかな?
完全に忘れている。
こんなことで「読んだ」と言えるのか。
ざるみたいなもので、いろんな本を読んでも意味はないと思えるだろうが、そこが大脳の不思議なところで、大脳生理学の最前線での成果によれば、いくら忘れてもいいのだ、というようなことは書いてない。
脳についていろんな実験をするのに、ネズミやサルの脳に電極を埋め込むようだが、そんなことはしたくないといつも思う。
結果は聞きたいと思う。
勝手なものだと思う。
朝、霧だった。
駅に着くと、霧のため電車が、2、3分遅れています、と言う放送をしていた。
最近の「駅のヘンな人」は、私と同年輩のちょっと太目のおじさんだ。
「日本経済新聞」を読みながら、「ほーっ!」「う〜ん!」「うんうん」「そーかそーか」とか声を出す。
ぶつぶつ言っていることもある。
右手にかばんと新聞、左手には缶コーヒーの入ったポリ袋を提げている。
今朝もそのスタイルで、「難波行き快速急行」を待つ列の最後尾に並んだ。
隣は、私学の制服を着た女子高生だ。
アナウンスが流れた。
「霧のため電車が2、3分遅れております」
その人は、霧のかかった空をぱっと見上げた。
「うおー!・・・・そーか!・・・・遅れとるか・・・・・・やっぱりなー・・・・・霧やからなー・・・・」
その瞬間、女子高生が、はじかれたように列を離れた。
かなり離れた列に歩いていった。
おじさんは、きょとんとした表情で女子高生を見ていた。
お母さんに言われてるんでしょうね。
「近頃はおかしな人が多いから、気をつけなさいよ。駅のホームでもちょっとでもヘンな人には近づいたらダメよ」
そのおじさんは、私の目から見て、危険な人物とは思えない。
この程度ヘンな人は好きだ。
しかし、女子高生の目から見て、気持ちの悪い人であることも確かだ。
このおじさんの職場までついて行きたい。