若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

安井曽太郎と杉良太郎

NHK教育テレビ「新日曜美術館」、今日は、「杉良太郎が語る巨匠安井曽太郎

杉良太郎は、NHKのテレビドラマ「文吾捕り物絵図」で一躍人気スターになり、その後俳優、歌手として活躍している。

彼の歌も芝居も全く知らなかった。
何年か前、NHKで特集をしたので、どんな人かと思って見た。

歌を聞き、芝居を見てびっくりした。
しかし、思慮深い私は、これはテレビだからびっくりするので、劇場で見ればびっくりしないのではないかと考えた。
その後劇場に足を運んでないので、びっくりかびっくりでないか、いまだに考え中である。

最近、絵でも評判である。
十数年前から描き始めて、雑誌などで時々見る。
絵に関しては評価しやすい。
私も十数年前、ギターを習いだした。
彼の絵と私のギター、いい勝負です。(-_-;)

そんな彼が、日本美術界の巨匠安井曽太郎について語る?
が、なめてはいけません。
福富太郎さんの例もある。

福富太郎さんは、「キャバレー太郎」として有名だ。
キャバレー業界で大成功した人で、時々テレビでべらんめえ口調でしゃべっている姿を見かけた。

その福富さんが書いた『描かれた女の謎』という本を読んで驚いた。
福富さんは、近代日本絵画のコレクターとしても有名だったのだ。
絵に対する愛情と、作家や時代背景などに対する探究心がすばらしい。
「愉快な、がらっぱちのキャバレー王」という印象は一変、「福富美術館学芸員」。

さて、杉さんの語る安井曽太郎

「24時間、絵のことを考えていたのではないか」
「晩年まで童心を失わなかった」
「キャンバスに向かう写真を見ると、背筋がびしっと伸びている」

安井曽太郎を語るというより、時候の挨拶みたいだ。
ピカソについて語る」でもおかしくない。
こんなことを言わせるために、杉良太郎を引っ張り出したのか。

ちがう。
安井曽太郎の未亡人はまさんが、「文吾捕り物絵図」の大ファンだったのだ。
二人で写した写真もある。
はまさんは、「文さん、文さん」と呼んでいたそうだ。

はまさんとの親しい交際を通じて知った、巨匠安井曽太郎の素顔、意外な一面を、杉さんが楽しく語るのだろうと、期待するのは素人の浅はかさ。
何も語らなかった。

彼が、巨匠に関する興味深いエピソードを知っていて語らなかったのか、知らないのか、ただいま考え中である。