朝刊の書籍広告を見て、夏休みの宿題に、読書感想文を書かせる学校が多いのだなと思った。
「学研」の広告。
『10分で読める名作』
世界の名作を10分で読ませようというのか、と思ったら、「短編名作」だった。
学年別で、今回発売は、一年生から三年生用、四年生から六年生用は、秋に発売。
夏休みの宿題需要を狙ったわけではなさそうだ。
いや、単に、遅れてしまっただけかもしれない。
この、『10分で読める名作』だけでは、御家庭の期待にこたえられない。
「学研」は、そういう中途半端な商売はしない。
もう一冊。
『すぐ書ける読書感想文』
小学低学年用、中学年用、高学年用の三冊がある。
『10分で読める名作』と、『すぐ書ける読書感想文』を用意して、さあ、何セット売れるかと、そろばんをはじいているようでは、学習書籍出版業界で生きていくことは出来ない。
とどめにもう一冊。
『必ず書けるあなうめ読書感想文』
そ、そんな本がありうるのか!?と驚く自分自身の発想の貧弱さを反省する。
「空欄をうめることでしっかりした感想文が完成!」
こういわれてもなおイメージがわかない。
己の鈍さが歯がゆい。
なんと、驚くなかれ、「どんな本の感想にも応用がきく」というのだ。
ここまでくると、あれこれ考えてもしかたがない。
買って読んで見なければわかりませんね。
「学研」は、「学習研究社」の略だが、「学習研究」の長年の努力の結晶が、『あなうめ感想文』なのだろうか。
努力が破綻して、やけくそになった結果が、『あなうめ感想文』なのだろうか。
小学生向けと書いてあるが、子供に手抜きさせることはない。
私みたいに、本を読むとすぐ忘れてしまう中高年をターゲットにしたほうがよいのではなかろうか。