ここ数日、鉛筆で自画像を描いている。
高校時代の友人S君が講師を務める、「いろえんぴつ画講座」の宿題である。
高校、大学と、美術部で絵を描いてきたが、デッサンというのをしたことがない。
勝手にヘンな絵ばかり描いてきた。
ヘンな絵を描くと、展覧会で賞をもらうことはあっても、周囲の人にほめてもらえない。
親にほめられたことがない。
学生のための全国展に、ヘンな絵を出品して、賞をもらったことがある。
「全日本学生油絵コンクール特別賞」(^o^)/
すごい!と誤解されてもしかたがない。
母は喜んで、友達を連れて見に行った。
見に行かない方がいいと思ったが、行くなというわけにもいかない。
気の毒なような、申しわけないような、複雑な気持ちで見送った。
帰ってきた母の感想は、ただひと言。
「恥ずかしかった」
そうでしょうな。
母の気持ちがよくわかる絵(?)なのであった。
十数年前、一度親にほめられるような絵を描いてみたいと、ふと思った。
どんな絵がいいか。
子供の肖像画!
父親が、愛情をこめて描く娘の肖像!
これなら、親だけではなく見た人すべてがほめてくれる。
上手に描けていれば。
描き始めてすぐわかったことは、まともな肖像画を描くのとヘンな絵を描くのとでは、同じ「絵を描く」と言っても、世界がちがうということであった。
そして、父親が娘を描くというのは、ほほえましい話ではないということもわかった。
当時小学生だった娘たちに、描くから座ってなさいというと、ぶーぶーむくれた。
悪戦苦闘するうち、エレキギターを習い始めた。
エレキの神に魅入られた私は、惜しまれながら絵筆を捨てた。
さて、今年仕事をやめて時間もできた。
もう一度「肖像画」に挑戦しよう。
アマチュア画家が、人物を描こうとして困るのはモデルだが、私は美人モデルに恵まれている。
大人になった娘たちは、ぶーぶー言うことはないだろう。
と思います。
S君の、「いろえんぴつ画講座」、名前はちゃちなようだが、中味は濃い。
何しろ、元天才少年の現国立大学教授だ。
何だかわかったような気にさせる。
宿題の自画像を5枚描いた。
1枚目、2枚目、3枚目と、だんだんうまくなってるような気がしたが、3枚目で早くも壁にぶつかってしまった。
これ以上描いてもムダだ。
木曜日に先生の指導を受けよう。