若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

自画像男前派宣言

自画像を描き続けている。

鏡の中の自分に魅入られて描きつづけているわけではない。
はじめは人物画を描くつもりだった。

幸い我が家には美人モデルがそろっている。
恵まれた環境である。
ところが、我が家の美人モデルたちは、描いてやるから座ってなさい、といわれておとなしく座ってるような素直な性格ではなかった。

厳しい環境である。
逆境にめげず自画像に活路を見出したのだ。

S君に自画像の描き方を伝授してもらった。
彼は、自画像の権威だ。
現役の美術系教授として学生に教えるほか、請われて外部の各種講座でも自画像の描き方を教えている。

教えるために自ら描いてみせる。
毎年、二、三百枚は描くという。
数えてみたら、この四十年ほどの間に、五千六百三十七枚描いたことがわかり、ギネスブックに「自画像世界一」として申請中である。

S君は、「自画像は何枚か描くとあきるので、服装を変えたり、角度を変えたりするのがよい」とアドバイスしてくれた。

なるほどネ。
セーターで描いたり、背広で描いたり、「鹿せんべいとばし大会」用の「エバラ焼肉のたれ黄金」風キンキラキンジャケットで描いたりしている。

角度も、右向いて左向いてではすぐあきる。
鏡を増やしていった。
今、六枚の鏡に囲まれて描いている。
無数の自分を描く万華鏡自画像である。

それでもあきる。
S君のもうひとつのアドバイス
「漫然と描くのでなく、こんな絵を描きたいという思いを持て」。

理論武装というやつですね。
油絵の世界には、「ロマン派」「印象派」「野獣派」などがある。

よっしゃ!
「自画像男前派」でいこう!

「自画像男前派」とは何か?

男前を描く!

といえば、あのねー、キミねー、とからんでくる人がいるだろう。
からまれるのはイヤだから、こう宣言するのはやめとく。

男前を描くのでないなら、「自画像男前派」とは何か?

男前が描く!

いっしょやんけ、とぴんと来た人は頭よろしい。
自画像の場合、男前を描くというのも男前が描くというのも同じことだ。
すぐばれるようなことはいわない。
ばれそうにないと思ったら何をいうかわからない。

男前を描くのでも男前が描くのでもなければ、「自画像男前派」とは何か?

男前に描く!

文句ある?
2008年2月デビュー、自画像男前派新人、若草鹿之助です。