人物画教室に行く。
先輩女性が、私にトシを聞いたので、61才と答えたら、若いですね、とのことであった。
「若いですね」は、あいさつみたいなもんだ。
しかし。
先輩女性たちは、私を「50代前半」と踏んでいたという。
「50代前半」という具体的数字を聞いて、一気に気をよくしてしまった。
しかし。
先輩女性の一人は、私を「30代」と予想したそうだ。
この人に、人物画教室をやめるよう言いたい。
人物画を描く基本は見ることだ。
どんな目をしてるんですか。
人物画教室をやめて、ウチに来なさいと言いたい。
「自画像男前派」の顧問として迎え入れたい。
教室のあと、「浪速高校美術部OB展」に行った。
エンもユカリもない、浪速高校の美術部のOB展になぜ行ったのか。
話せば長くややこしい。
人物画を描くのにはデッサン力がいる。
私にはない。
簡単に身につくものではなさそうだ。
しかし。
インターネットで調べたら、ひょっとすると、アマチュアで、デッサン力が簡単に身につく方法を発表してる人がいるかもしれない。
「石膏デッサン」で検索してたら、武本比登志さんという、ポルトガル在住の画家のホームページに行き当たった。
石膏デッサンにまつわるエッセイで、うまい上達法ではなかった。
この武本さんが、浪速高校美術部OBで、しかも私と同じ年だった。
OB会のホームページも管理しておられた。
そこで、会員の人達の思い出の記を読んで驚いた。
まるでウチの高校の話のようだった。
もっと驚いたのは、1970年以来、毎年OB展を開催しているということだ。
これはすごい。
続くもんじゃないですよ。
しかも。
2月18日から、第38回展が開催。
しかも。
会場が、人物画教室のすぐ近くだ。
これは行くほかない。
武本さんも、ポルトガルから出品していた。
いろんな傾向の作品があって、楽しい展覧会だった。
会場に行くのに、水晶橋を渡っていたら、思わぬ人を見かけた。
私の通勤時代、毎朝、学園前の駅で同じ電車に乗っていた人だ。
私と同年輩で、年中大きなマスクをして、いかにも「健康を害しています!」という感じの人だ。
いつも、二つ先の駅で降りて、その駅始発の電車に乗り換えていたから、立っているのさえしんどかったのだと思う。
水晶橋を、マスクをして渡っていた。
ご苦労さまです、と声をかけたかったが、やめた。