世の中、ナゾが多い。
しょーもないナゾは非常に多い。
きょうはカルチャーセンター人物画教室。
休み時間に私より年上であるところのSさんが近づいてきて、「若草さん、Tさんの正体知ってる?」と言った。
この教室で私より年下の女性は少ないと思うのであるが、いちいち確認してないのでわかりません。
Sさんが年上であることは確認済み。
さて、話題の主Tさんというのは、今年の4月から加入した人で、9月でやめちゃった60歳くらいの男性である。
非常に真面目そうな印象であった。
自己紹介の時、20年前にもこの講座を受講したことがあると言った。
ということは、40歳くらいの時に、平日にカルチャーセンター人物画教室に通っていた。
どんな人じゃ?
ナゾであった。
Tさんは、はじめ鉛筆でデッサンしていた。
非常にうまかった。
他人には厳しい私であるが、「うまい!」と認めざるを得なかった。
先生も、ほとんど指導しなかった。
狂いがなかったんですな。
Tさんと話をして、絵の具のことをよく知ってるので感心した。
技法書をよく読んでるのにも感心した。
私が、美術予備校に通って、石膏デッサンを15枚描いたと言ったら、Tさんは、「私は50枚書きました」と言った。
いくら他人に厳しい私でも、15対50で負けだと思った。
Tさんは、9月に入って、油絵を描き始めた。
これは、他人に厳しい私の目で見ると、まあまあであった。
先生もいろいろ指導してた。
Tさんは、先生の指導に対して、そのつど、いろいろ言い訳というか、口答えというか、自分の言い分を語ってた。
負けん気が強いというのか、こだわりが強いというのか、扱いにくそうな人だと思った。
そのTさんの「正体」とは?
Sさんは、「Tさんから、絶対に言わんといてて言われてたんやけど」と、言ってはならないことばを平気で口にして、言ってはならないことをうれしそうに口にした。
「Tさんは、○○美術大学の教授なんやて」
美術大学の教授?!
もしそうなら、上手なはずであるし、詳しいはずであるし、口答えするはずである。
それにしても、美大教授が何故カルチャーセンター人物画教室に?
ナゾである。
しょーもないナゾである。