若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

自画像指導最終回

S君から電話があって、時間ができたので、描きかけの自画像の仕上げかたを教えてくれるとのこと。

まず、S君が、自分の自画像を仕上げて見せてくれる。
彼が描くのを見てると、テキトーに、いいかげんに、でたらめに、出たとこ勝負で、チョロチョロパッパと絵筆を動かしてるとしか思えない。

そうとしか思えないのであるが、あっというまに仕上がった。

高校の美術室で、肩を並べて描いた彼と、四十年以上たって、またならんで描く日がくるとは、思いもよらぬことであった。
まあ、今回は、先生と生徒という関係に成り果てているが。

さあ、私の番である。
いつものことながら、ある程度描いてからが問題だ。
どう続けてよいかわからなくなる。

うしろで観ているS君が、「そこがまだ描けていない。次はそこ」と次々に指摘する。
なるほど描けていないな、と思う。

S君は、テキトーに、でたらめに筆を動かしていたのではなかったようだ。
自分で、描くべき箇所がわかって即座にそこを描いていたらしい。

私が、一生懸命描いていると、うしろでじっと見ていたS君が声をかけた。

「キミ・・・ギター、ヘタやろ」

意表をつく問いであった。
なんでここでギターの話に?

「・・・ヘ、ヘタやけど・・・?」

「手首かたいな〜」

かたいです。
自分のステージをビデオで見ると、よ〜くわかります。
身体ガチガチの手首コチコチです。

しかし、えらいもんですねー。
私が絵を描いてるとこを見て、ギターがヘタと見抜くとは。

・・・それって、絵もヘタということ?

感心してる場合やおませんがな。(>_<)

複雑に揺れ動く心を抑えながら、絵は完成しました。
S君の、叱咤激励のおかげで、私にしては迫力ある絵になったと思います。

仕事をやめたら、S君の指導のもとに絵を描いてみたいという望みがかないました。
謝々!