若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

アトリエ便り

今日は、家内の友人、F夫人を描く。

我が家の美人モデルたちは、一通り描いてしまって、二度とごめんという雰囲気なので、被害範囲じゃなかった、守備範囲を広げて、広く一般から美人モデルを募集しようと、十日ほど前から、ウチの門に、「ただいま美人モデル募集中!お気軽にどうぞ!当方イケメン画家」と書いた紙をぶら下げておいたのだが、いっこうにひっかかる人がなく、困りはて弱りはてていたところ、見かねた家内が、友達を犠牲にしようと、「主人が、美人モデルを募集してるの」と声をかけたところ、さすが家内のお友達、類は友を呼ぶのたとえどおり、「え?!美人モデル!では、私が!」「お黙り!私こそ!」と応募者殺到と思いきや、さすが家内のお友達、類は友を呼ぶのたとえどおり、内気で控えめ、「いえいえ、とても私なんか、謹んでご辞退」との答えばかり、これは致し方ない、やはり、我が家の美人モデルでいく他ないと、決意を固めたところ、ちょ、ちょ、ちょっと待ってと焦る家内のイチ押し美人、Fさん、どうぞモデルになってやってくださいなと、拝み倒した甲斐あって、今日の午後、わがアトリエにお迎えすることになったのである。

さて、わがアトリエであるが、アトリエといえばお決まりの、北側には大きな窓と、ちょっとぜいたくだが、季節によっては上からも光を入れるため、やや大きめの天窓を備え、二十畳ほどで、狭くもないが、絵のサイズによって使い分けるイーゼルが、大、中、小と三台置いてあるので、だだっ広いというほどでもなく、本棚には、画集や美術雑誌がぎっしり、三つのテーブルには、絵の具、筆、油が所狭しとならんでいるというような、そんなアトリエが、いつになったら持てるだろうか。

アトリエなんかない。
和室六畳、神棚の前の椅子に座ってもらう。

まず、製作の成功祈願のため、私が先頭、右に家内、左にFさん、神棚に向かって一同神妙に、二礼、二拍手、一礼。

いすに座ったFさんを見て驚いた。カチンカチンである。こんな緊張したモデル、見たことない。
子供の幼稚園からの付き合いとはいえ、私が、Fさんを間近に、マジマジと見つめるのは初めてだから、こっちも緊張した。
至近距離からマジマジと見つめられたFさんが緊張するのは当然といえる。

この緊張感が、吉と出るか凶と出るか、来週のお楽しみ。